SPI速度算・通過算の解き方|速さの公式と時間短縮のコツ

この記事でわかること

  • 速度算で覚える式は「距離=速さ×時間」の1本だけという整理
  • 時速・分速・秒速の換算でつまずかないための3つの数字
  • 旅人算を「近づく速さ・離れる速さ」で処理する方法
  • 通過算は列車の長さを足すだけで解けるという考え方
  • 平均の速さを足して2で割ってはいけない理由と、例題5問

著者:テストビズ運営事務局
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最終更新日:2026年9月7日

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速度算とは?覚える式は「距離=速さ×時間」の1本

速度算とは、速さ・時間・距離の関係を使って未知の値を求める問題です。
3つの公式があるように見えますが、実際には1本の式を変形しているだけです。

SPIの非言語では、速度算と通過算がまとめて1つの分野として扱われています。
練習問題を分野別に公開している対策サイトでも、「速度算・通過算」として同じ区分に収められています(2026年9月7日確認)。

3つの式は1本から作れる

求めたいもの
距離 速さ×時間
速さ 距離÷時間
時間 距離÷速さ

覚えるのは1行目だけで構いません。
残りは移項するだけなので、3本暗記するより1本を変形できる状態のほうが本番で迷いません。

単位換算は3つの数字で足りる

速度算で最も多い失点は、計算ミスではなく単位の取り違えです。
覚えておく換算は次の3つだけです。

  • 時速から秒速へ:÷3.6
  • 秒速から時速へ:×3.6
  • 時速から分速へ:÷60

時速72kmであれば、72÷3.6=秒速20mです。
3.6という数字は、1時間が3,600秒で1kmが1,000mであることから出ています。

表記 意味 換算の例
時速◯km 1時間に進む距離 時速36km=秒速10m
分速◯m 1分間に進む距離 分速600m=時速36km
秒速◯m 1秒間に進む距離 秒速15m=時速54km

問題文の単位と選択肢の単位が違う場合は、最初に揃えてから計算に入ってください。
後から換算しようとすると、途中の数字をすべて直すことになります。

旅人算は「近づく速さ・離れる速さ」で考える

2人が動く問題は、2人の速さを足すか引くかで1人分の問題に変換できます。
向かい合って進むなら足し、同じ方向に進むなら引く、という判断だけです。

出会いと追いかけの違い

状況 使う速さ 考え方
向かい合って進む(出会い) 2人の速さの 1分間に和のぶんだけ距離が縮まる
同じ方向に進む(追いかけ) 2人の速さの 1分間に差のぶんだけ距離が縮まる

分速70mと分速80mの2人が3,000m離れた地点から向かい合って進む場合、1分あたり150mずつ近づきます。
よって 3,000÷150=20分後に出会います。

追いかける場合は、差である10mずつしか縮まりません。
「どちらの向きに進むか」を確認してから足すか引くかを決める、という順番を固定してください。

池の周りを回る問題

円形のコースを回る問題も、考え方は同じです。

  • 反対向きに回る:速さの和で、1周分の距離を割る
  • 同じ向きに回る:速さの差で、1周分の距離を割る

同じ向きの場合、追いつくには相手より1周多く進む必要があります。
そのため割る距離は1周分になります。

通過算は「列車の長さを足す」だけで解ける

通過算は、列車自身の長さを距離に含めるかどうかがすべてです。
橋を渡り切るには、橋の長さに列車の長さを足した距離を進む必要があります。

3つの型と足し引きの判断

進む距離
鉄橋やトンネルを渡り切る 橋(トンネル)の長さ+列車の長さ
電柱や人の前を通過する 列車の長さのみ
2つの列車がすれ違う 2つの列車の長さの
2つの列車が追い越す 2つの列車の長さの

すれ違いと追い越しでは、進む距離はどちらも列車の長さの和です。
違うのは使う速さで、すれ違いは速さの和、追い越しは速さの差になります。

状況 距離 速さ
すれ違い 長さの和 速さの和
追い越し 長さの和 速さの差

距離は必ず「和」、速さだけが「和か差か」で変わる、と覚えると混乱しません。

図を描くと判断が速くなる

先頭がどこからどこまで動くかを線で描くと、足す長さが一目で分かります。
橋を渡り切る場面なら、先頭が橋の入口に来てから最後尾が出口を出るまでです。

書くのは5秒程度で済みます。
運営事務局の個別対策でも、図を描く手順を入れた方は通過算の誤答がほぼなくなります。

平均の速さは足して2で割ってはいけない

行きと帰りの速さの平均は、2つの速さを足して2で割った値にはなりません。
平均の速さは、必ず「全体の距離÷全体の時間」で求めます。

なぜずれるのか

同じ道を、行きは時速40km、帰りは時速60kmで往復したとします。
足して2で割ると時速50kmですが、正しい答えは時速48kmです。

遅いほうの速さで走っている時間が長いため、平均は遅い側に寄ります。
片道120kmとすると、行きは3時間、帰りは2時間で、合計240kmを5時間かかっています。
240÷5=48となり、時速48kmです。

距離が分からない場合は、計算しやすい数字を自分で置いて構いません。
往復の距離は答えに影響しないため、どんな数字を置いても同じ結果になります。

出題されやすいひっかけ

  • 往復の平均速度を、速さの平均で答えさせる
  • 前半と後半で速さが違う移動の、全体の平均を問う
  • 途中で休憩を挟み、休憩時間を含めた平均を問う

いずれも「全体の距離÷全体の時間」に戻れば処理できます。
割合の考え方に不安がある場合は「SPI損益算・速度算・割合の解き方」(No.42)もあわせて確認してください。

例題5問|換算・出会い・通過・すれ違い・平均

5問を通せば、速度算と通過算で問われる型はほぼ網羅できます。
解く前に単位を揃え、解いた後に単位が合っているかを確認してください。

例題1(単位換算)

時速72kmは秒速何mか。

【解答】秒速20m
【解説】時速から秒速への換算は3.6で割ります。72÷3.6=20。

例題2(旅人算・出会い)

3,000m離れた2地点から、Aは分速70m、Bは分速80mで同時に向かい合って出発した。
2人が出会うのは何分後か。

【解答】20分後
【解説】向かい合っているので速さの和を使います。70+80=150m/分。3,000÷150=20。

例題3(通過算・鉄橋)

長さ150mの列車が秒速25mで走っている。
長さ600mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに何秒かかるか。

【解答】30秒
【解説】進む距離は 600+150=750m。750÷25=30。
橋の長さだけで計算すると24秒となり、誤答になります。

例題4(通過算・すれ違い)

長さ180mの列車Aが秒速30m、長さ120mの列車Bが秒速20mで、反対方向に走っている。
すれ違い始めてから完全に離れるまでに何秒かかるか。

【解答】6秒
【解説】距離は長さの和で 180+120=300m。速さは和で 30+20=50m/秒。300÷50=6。

例題5(平均の速さ)

同じ道を、行きは時速40km、帰りは時速60kmで往復した。
往復の平均の速さは時速何kmか。

【解答】時速48km
【解説】片道を120kmと置くと、行きは3時間、帰りは2時間。
往復240kmを5時間で移動したので、240÷5=48。
時速50kmと答えるのが典型的な誤答です。

速度算で時間を落とす人には共通点がある

運営事務局が見てきた失点は、公式ではなく単位と図の省略から起きています。
多いのは「単位を揃えない」「通過算で列車の長さを足し忘れる」の2つです。

運営事務局が見てきた実例

相談事例1:大学3年生の方(テストセンター受検)
問題文が分速、選択肢が時速で書かれており、換算せずに答えを選んで不正解になっていました。
計算そのものは合っていたため、本人は間違いに気づいていませんでした。
問題文を読んだ直後に単位へ丸をつける手順を加え、解消しています。

相談事例2:転職活動中の30代の方
通過算で、鉄橋の長さだけを距離として計算していました。
図を描いてもらったところ、最後尾が橋を出るまで進む必要があることをその場で理解されています。
以後、通過算では必ず線を1本引くことにしました。

相談事例3:大学4年生の方
往復の平均速度を、2つの速さを足して2で割って答えていました。
片道の距離を自分で置いて計算し直す方法に変えたところ、同じ型で落とさなくなっています。

ミスの原因と直し方

よくあるミス 原因 直し方
単位が合わない 問題文と選択肢の単位が違う 読んだ直後に単位へ丸をつける
通過算で長さを足し忘れる 図を描いていない 先頭と最後尾の動きを線で描く
平均速度を足して2で割る 時間の重みを考えていない 全体の距離÷全体の時間に戻す
出会いと追いかけを取り違える 進む向きを確認していない 向かい合うなら和、同方向なら差
計算が煩雑になる 距離が未知のまま進めている 計算しやすい距離を自分で置く

答えが出たら、単位と桁が現実的かを一度見てください。
秒速300mのような答えが出た時点で、換算のミスだと分かります。
1問あたりの時間の考え方は「SPIの時間配分と1問あたりの目安」(No.51)にまとめています。

SCOAなど他形式の速さの問題は何が違う?

SCOAでは速度算が数理の出題範囲として明示されており、SPIより速い処理が求められます。
解き方そのものは共通なので、一度仕上げれば形式が変わっても使えます。

SCOAでの位置づけ

適性検査対策講座を提供する大人塾の解説によると、SCOAの数理の出題範囲には四則計算・方程式・不等式・平方根に加えて、濃度算と速度算が挙げられています(2026年9月7日確認)。
シンプルな問題が中心とされており、複雑な設定よりも基本の式を素早く使えるかが問われます。

一方でSCOAは1問あたり約30秒で処理する必要があるとも解説されています。
単位換算に迷っている時間はないため、÷3.6を反射的に使える状態にしておいてください。

項目 SPI SCOA
速さの扱い 速度算・通過算として1分野 数理の出題範囲に速度算を明記
問題の傾向 通過算や旅人算など設定が複雑になる場合がある 基本の計算問題が中心とされる
求められる速さ 1問1分程度 1問約30秒

SCOA全体の進め方は「SCOA対策」(No.95)、数理と論理の詳細は「SCOAの数理・論理対策」(No.100)を参照してください。

対策の優先順位

速度算は、覚える式が1本しかないうえに出題の型が限られています。
そのため、投じた時間に対する見返りが大きい分野です。

  • 単位換算を反射でできるようにする(最優先)
  • 通過算は図を描く習慣をつける
  • 平均の速さのひっかけを1問解いておく

本記事は「SPI場合の数・確率・組み合わせの解き方」(No.43)から分割したもので、非言語全体の優先順位は「SPI非言語の対策」(No.39)、学習の入口は「SPI対策の始め方」(No.32)を参照してください。
短期で全体を組み立てる場合は「Webテスト対策を1週間で仕上げる短期計画」(No.10)、形式をまたいだ全体像は「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)が出発点になります。

よくある質問(FAQ)

速度算はSPIで頻出ですか?

出題分野の内訳は公表されていないため断定はできませんが、SPI非言語の分野別に練習問題を公開しているサイトでは「速度算・通過算」として独立した区分が設けられており、収録問題数も多い部類に入ります(2026年9月7日確認)。
リクルートマネジメントソリューションズが分野ごとの出題比率を公開していないため、頻度に関する記述は対策本や受検報告に基づく推定です。
ただし速度算は覚える式が1本だけで、単位換算さえ固めれば安定して正解できます。
優先度は高めに置いて問題ない分野です。

「spi 速度算 コツ」として一番効くのは何ですか?

単位を最初に揃えることです。
問題文が分速で書かれ、選択肢が時速で並んでいる、といった設定は珍しくありません。
計算が合っていても単位が違えば不正解になるため、読んだ直後に単位へ丸をつける習慣が効きます。
2つ目のコツは、距離が与えられていない問題では計算しやすい数字を自分で置くことです。
往復の平均速度のように、置いた距離が答えに影響しない設問では大幅に手数が減ります。
3つ目は、答えが出た後に桁と単位を見返すことです。
秒速300mのような非現実的な値が出た時点で、換算のミスだと気づけます。

「spi 通過算」で押さえるべき点は何ですか?

列車自身の長さを距離に含めるかどうかです。
鉄橋やトンネルを渡り切る場合は、橋の長さに列車の長さを足した距離を進みます。
電柱や人の前を通過するだけなら、進む距離は列車の長さのみです。
2つの列車がすれ違う場合と追い越す場合は、どちらも距離は長さの和で、使う速さだけがすれ違いなら和、追い越しなら差になります。
距離は常に和、速さだけが状況で変わる、と整理しておくと判断が速くなります。
判断に迷ったときは、先頭と最後尾がどこからどこまで動くかを線で描いてください。
5秒ほどで済み、足す長さがその場で確定します。

時速から秒速への換算を素早くするには?

3.6で割る、と覚えてください。
時速72kmなら72÷3.6=秒速20mです。
逆に秒速から時速へは3.6を掛けます。
3.6という数字は、1時間=3,600秒、1km=1,000mという関係から導かれています。
本番で迷いやすい方は、時速36km=秒速10mという対応を1組だけ暗記しておくと、そこから比例で確認できます。
時速72kmならその2倍で秒速20m、時速18kmなら半分で秒速5mと確認できます。
計算の前に換算を済ませておくと、途中の数字を直す手間もなくなります。

往復の平均速度はなぜ足して2で割ってはいけないのですか?

遅い速さで移動している時間のほうが長いためです。
行きが時速40km、帰りが時速60kmの場合、同じ距離でも行きには帰りの1.5倍の時間がかかっています。
そのため平均は遅い側に寄り、時速50kmではなく時速48kmになります。
求め方は常に「全体の距離÷全体の時間」で、片道の距離が与えられていなければ自分で置いて構いません。
置いた数字は答えに影響しないため、120kmのように両方で割り切れる数を選ぶと計算が楽になります。

「scoa 速さ」の問題はSPIと同じ対策でよいですか?

解き方は同じです。
大人塾の解説によると、SCOAの数理の出題範囲には濃度算と速度算が含まれ、シンプルな問題が中心とされています(2026年9月7日確認)。
違いは求められる処理速度で、SCOAは1問あたり約30秒とされています。
そのため、単位換算に迷わず即座に立式できる状態まで練習しておくことをおすすめします。
また、SCOAは誤謬率が測定されていないとされるため、分からない問題も空欄にせず埋めておくほうが有利です。

流水算も対策しておくべきですか?

余力があれば押さえておくとよい分野です。
流水算は、川を上るときは船の速さから流れの速さを引き、下るときは足す、という考え方で処理します。
速度算の一種なので、旅人算の和と差の考え方が身についていれば追加の負担はほとんどありません。
分野別に問題を公開しているサイトでは流水算の収録数は少なめで、速度算や通過算ほどの優先度ではないと考えられます。
まず速度算と通過算を固めてから、時間が余ったときに1問だけ通しておけば十分です。

まとめ

速度算は、覚える式が1本しかない分野です。
つまずく原因は公式ではなく、単位換算と図の省略に集中しています。

要点をもう一度整理します。

  • 覚えるのは「距離=速さ×時間」の1本だけ
  • 時速から秒速は÷3.6、秒速から時速は×3.6
  • 旅人算は、向かい合うなら速さの和、同じ方向なら差
  • 通過算の距離には列車の長さを足す
  • すれ違いと追い越しは距離が同じで、速さだけが和と差で変わる
  • 平均の速さは「全体の距離÷全体の時間」で求める

単位に丸をつける、通過算では線を1本引く。
この2つを手順に加えるだけで、速度算の失点は大きく減ります。

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