この記事でわかること
- SPI損益算の用語と3つの公式、出題形式ごとの出方
- 損益算を式に直す3つのコツと、模擬演習で多い誤答パターン
- 損益算・速度算・割合(濃度・分数)の練習問題10問と解き方
- 「損益算は捨てていいか」への答えと、受検日までの勉強法
SPI損益算は、原価・定価・売価・利益の4語の関係を3つの公式で式に直せれば、1問30秒〜1分で解ける単元です。
非言語のなかでは出題パターンが少なく、短期間で最も伸ばしやすい分野といえます。
一方で、運営事務局の模擬演習では「割引の基準を間違える」「利益率の基準を間違える」という2つの誤答が繰り返し出ています。
この記事では、損益算の公式とコツを軸に、同じ「割合の計算」でつまずきやすい速度算・割合(濃度・分数)まで、練習問題つきでまとめて解説します。
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SPIの損益算とは?原価・定価・売価・利益の4語で決まる問題
SPIの損益算とは、原価に利益を上乗せして定価をつけ、割引して売ったときの利益や割引率を求める問題で、公式は「定価=原価×(1+利益率)」「売価=定価×(1−割引率)」「利益=売価−原価」の3つだけです。
損益算とは、商品の仕入れから販売までの金額の流れを、割合の計算で追いかける問題です。
まず4つの用語を正確に区別してください。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 原価(仕入れ値) | 商品を仕入れた値段 | 800円で仕入れた |
| 定価 | 原価に利益を上乗せしてつけた売る予定の値段 | 25%の利益を見込んで1,000円 |
| 売価(売値) | 実際に売った値段。割引があれば割引後 | 1割引で900円 |
| 利益 | 売価−原価。マイナスなら損失 | 900−800=100円 |
公式は次の3つです。
| 公式 | 式 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 定価の公式 | 定価=原価×(1+利益率) | 「原価の2割の利益を見込んで定価をつけた」 |
| 売価の公式 | 売価=定価×(1−割引率) | 「定価の1割引で売った」 |
| 利益の公式 | 利益=売価−原価 | 「利益はいくらか」「損も得もなかった」 |
注意すべきは、利益率の基準は原価、割引率の基準は定価という点です。
「2割の利益」は原価の2割、「1割引」は定価の1割であり、同じ「割」でも掛ける相手が違います。
運営事務局の模擬演習で最も多い誤答は、この基準の取り違えです。
損益算はどの形式で出る?テストセンター・WEBテスティングでの出方
損益算はSPIのすべての受検形式で出題されます。
形式によって答え方が変わるため、受検案内で形式を確認してから練習してください。
| 受検形式 | 答え方 | 出方の特徴 |
|---|---|---|
| テストセンター | 選択式 | 1つの設定(原価・定価)から2〜3問が続く組問題が多い |
| WEBテスティング(自宅受検) | 数値を直接入力 | 選択肢がないため、割引率や個数を自力で確定させる必要がある |
| ペーパーテスティング | マークシート | 損益算・速度算・割合が非言語の前半にまとまって出る |
テストセンターは回答状況に応じて出題が変わる方式で実施されているため、損益算が必ず出るとは限りません。
ただし、損益算・速度算・割合は非言語の基礎に位置づけられる単元で、序盤に出やすい分野です。
序盤を落とすと後半で難度の高い推論に進みにくくなるため、ここは確実に取る必要があります。
推論の対策は「SPI推論の解き方とコツ」で解説しています。
SPI損益算のコツは3つ|問題文を式に直す順番
損益算のコツは「原価を基準の数に置く」「引き・増しを掛け算で書く」「損も得もない=売価と原価が等しい、と訳す」の3つで、この順番で式にすると基準の取り違えが起きません。
コツ1:原価が分からないときは100(または1)と置く
「原価の2割の利益を見込んで定価をつけ、定価の1割引で売ったら利益は原価の何%か」のように、金額が1つも与えられない問題があります。
このときは原価を100と置いてください。
定価=100×1.2=120、売価=120×0.9=108、利益=108−100=8で、原価の8%と即答できます。
原価が文字のままだと式が読みにくくなるため、具体的な数に置くほうが速く正確です。
コツ2:「〜引き」「〜増し」は掛け算で書く
「2割増し」は「×1.2」、「1割引」は「×0.9」、「3割引」は「×0.7」と、最初から掛け算で書きます。
「定価から1割を引く」と2段階で計算すると、計算量が増えるうえ、基準を間違えやすくなります。
掛ける数は「1+率」か「1−率」の2種類しかありません。
| 表現 | 掛ける数 |
|---|---|
| 2割増し・2割の利益 | ×1.2 |
| 25%の利益 | ×1.25 |
| 1割引 | ×0.9 |
| 3割引 | ×0.7 |
| 15%引き | ×0.85 |
コツ3:「損も得もない」「利益は原価の○%」を式に訳す
問題文の決まり文句を、次のように訳してください。
- 「損も得もなかった」→ 売価=原価
- 「利益が原価の12%だった」→ 売価=原価×1.12
- 「原価の何%の利益か」→ (売価−原価)÷原価
- 「定価の何%引きで売ったか」→ 1−(売価÷定価)
とくに「何%の利益か」を求める問題では、利益額を原価で割る必要があります。
定価や売価で割ってしまう誤答が模擬演習でも目立ちます。
運営事務局が見てきた実例:模擬演習で多い誤答3パターン
運営事務局の模擬演習(1,100円・解説つき)で、損益算の誤答を集計すると、次の3つに集中しています。
【要確認:演習ログの集計値を反映。以下は誤答の型と、確認できた範囲での傾向】
| 誤答パターン | 起きる問題 | 直し方 |
|---|---|---|
| 割引を原価から引く | 「定価の1割引」を原価×0.9で計算 | 「引き」の基準は必ず定価、と口に出して確認 |
| 利益率の基準を定価にする | 利益÷定価で「何%の利益」を出す | 利益率の分母は原価に固定 |
| 組問題の2問目で前の答えを使い忘れる | テストセンターの3問組で、1問目で出した定価を2問目に使わない | 1問目の答えをメモの先頭に書き残す |
演習の所要時間は、公式を覚えている受検者で1問30〜60秒、初回受検者では2分近くかかることもあります。
【要確認:実測値】
所要時間が長い受検者の多くは、計算が遅いのではなく、「どの公式を使うか」を迷って止まっています。
上の3つの誤答は、いずれも「基準」の問題なので、練習問題を解くたびに「これは原価の何%か、定価の何%か」を書き添えると1週間程度で消えます。
SPI損益算の練習問題5問|基本から個数問題まで
練習問題は「基本→割引後の利益→原価の逆算→個数の連立→総利益」の順に難度が上がり、この5パターンで本番の損益算のほぼすべてに対応できます。
以下はすべて運営事務局が作成したオリジナル問題です。
実際の出題形式を再現していますが、本番の問題そのものではありません。
練習問題1:基本(定価→割引→利益)
原価800円の商品に25%の利益を見込んで定価をつけ、定価の1割引で売った。利益はいくらか。
解き方
定価=800×1.25=1,000円。
売価=1,000×0.9=900円。
利益=900−800=100円。
答え:100円
練習問題2:割引率の逆算(WEBテスティング入力式)
原価600円の商品に定価900円をつけた。定価から割引して売ったところ、利益は原価の5%だった。定価の何%引きで売ったか。
解き方
利益は600×0.05=30円なので、売価=600+30=630円。
630÷900=0.7なので、売価は定価の70%。
割引率は1−0.7=0.3。
答え:30%引き
練習問題3:原価から定価を逆算する
原価1,500円の商品を、定価の2割引で売ると利益が原価の12%になる。定価はいくらか。
解き方
売価=1,500×1.12=1,680円。
売価=定価×0.8なので、定価=1,680÷0.8=2,100円。
答え:2,100円
割引後の売価から定価に戻すときは「÷(1−割引率)」です。
「×1.2」で戻す誤答が多いので注意してください。
練習問題4:個数の連立(りんごとみかんが合わせて13個)
りんごとみかんが合わせて13個ある。りんごは1個120円、みかんは1個60円で、合計金額は1,140円だった。りんごは何個か。
解き方
りんごをa個とすると、みかんは(13−a)個。
120a+60(13−a)=1,140。
120a+780−60a=1,140。
60a=360なので、a=6。
答え:りんご6個(みかん7個)
「合わせて○個」「合計○円」の2条件があれば、必ず1つの文字で式が立ちます。
検算は、6×120=720円と7×60=420円の合計が1,140円になることで確認できます。
練習問題5:売れ残りを割引して売る総利益
原価400円の商品を100個仕入れ、原価の5割増しの定価をつけて70個売った。残りは定価の3割引ですべて売った。全体の利益はいくらか。
解き方
定価=400×1.5=600円。
定価で売った分=600×70=42,000円。
割引後の売価=600×0.7=420円、その売上=420×30=12,600円。
売上合計=42,000+12,600=54,600円。
仕入れ総額=400×100=40,000円。
利益=54,600−40,000=14,600円。
答え:14,600円
このパターンはテストセンターで組問題として出やすく、「定価で売った分」と「割引して売った分」を分けて書くことがすべてです。
SPI速度算の公式と解き方|単位換算と往復の平均速度
速度算は「速さ=距離÷時間」の1本の式と、分速・時速・秒速の単位換算ができれば解け、SPIでは追いつく問題(旅人算)と往復の平均速度が頻出です。
速度算の公式は、次の3つの形で覚えます。
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 速さ | 距離÷時間 |
| 距離 | 速さ×時間 |
| 時間 | 距離÷速さ |
つまずきの大半は単位換算です。
時速3.6km=分速60m=秒速1mの関係を1つ覚えておくと、換算の感覚がつかめます。
練習問題6:追いつく問題(旅人算)
兄が分速70mで家を出発した。6分後に弟が分速100mで同じ道を追いかけた。弟が兄に追いつくのは、弟が出発してから何分後か。
解き方
弟が出発した時点で、兄は70×6=420m先にいる。
1分あたり100−70=30mずつ差が縮まる。
420÷30=14分。
答え:14分後
練習問題7:往復の平均速度
行きは時速4km、帰りは同じ道を時速6kmで往復した。往復の平均速度は時速何kmか。
解き方
平均速度は「(4+6)÷2=5」ではありません。
片道の距離を12kmと置くと、行きは3時間、帰りは2時間、往復24kmを5時間で進むので、24÷5=4.8。
答え:時速4.8km
往復の平均速度は、距離を「両方の速さで割り切れる数」に置くのが最短です。
SPI割合と比の解き方|濃度・分数の計算のコツ
割合の問題は「もとにする量×割合=比べる量」の1本で解け、濃度は「食塩の量は変わらない」、分数は「割り算は逆数の掛け算」に直すのがコツです。
損益算・速度算の土台は割合です。
割合そのものを問う問題も、SPIや他の適性検査の計算問題として出題されます。
練習問題8:割合の割合
ある大学の学生1,500人のうち40%が理系で、理系のうち35%が女性である。理系の女性は何人か。
解き方
理系=1,500×0.4=600人。
理系の女性=600×0.35=210人。
答え:210人
「〜のうち○%」は、直前の量を基準にします。
全体の1,500人に35%を掛ける誤答が多い問題です。
練習問題9:濃度(食塩水)
濃度8%の食塩水300gに水を加えて、濃度6%にしたい。水を何g加えればよいか。
解き方
食塩の量=300×0.08=24g。
水を加えても食塩の量は変わらないので、24÷0.06=400gが全体の量。
加える水=400−300=100g。
答え:100g
練習問題10:分数の計算
3/4÷5/8を計算せよ。
解き方
割り算は逆数の掛け算に直す。
3/4×8/5=24/20=6/5。
答え:6/5(1.2)
分数の計算は、適性検査の「計算問題」として単独で出ることもあります。
約分は掛け算の前に行うと計算が軽くなります(3/4×8/5は、4と8を先に約分して3/1×2/5=6/5)。
非言語全体の頻出分野と公式は「SPI非言語の対策|頻出分野と公式まとめ」にまとめています。
SPI損益算は捨ててもいい?他の適性検査でも出る理由
損益算は捨てないでください。出題パターンが5つ程度と少なく、公式3つで1週間以内に得点源にでき、SPI以外の適性検査(SCOA・CUBIC・企業独自テスト)でも同じ形で出題されます。
「損益算を捨てる」という相談は、運営事務局にも定期的に届きます。
しかし損益算は、推論や図表の読み取りと比べて、次の点で「捨てるともったいない」単元です。
| 観点 | 損益算 | 推論 |
|---|---|---|
| 出題パターンの数 | 5つ程度 | 10以上 |
| 必要な知識 | 公式3つ | パターンごとの書き出し方 |
| 1問の目安時間 | 30秒〜1分 | 1分〜1分30秒 |
| 得点化までの期間 | 数日〜1週間 | 2〜3週間 |
さらに、損益算はSPI専用の単元ではありません。
SCOAの数理、CUBICの数理、企業独自の筆記試験でも「原価・定価・売価」の形で出題されます。
SPIで覚えた3つの公式は、そのまま他形式に持ち越せます。
SCOAの数理分野の出方は「SCOAの数理・論理対策」で解説しています。
捨てる判断が妥当なのは、受検が明日で、まだ公式を1つも覚えていない場合だけです。
その場合でも、練習問題1(基本)と練習問題4(個数)の2パターンだけは10分で覚えられます。
受検日までの損益算・速度算・割合の勉強法
勉強法は「公式3つを声に出して覚える→練習問題を1問1分で解く→基準(原価か定価か)を毎回書き添える」の順で、残り日数に応じて範囲を絞ります。
| 受検までの残り日数 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 3日以内 | 損益算の公式3つと練習問題1・4・5。速度算は追いつく問題のみ | 合計10問、1時間 |
| 1週間 | 損益算5パターン+速度算+割合(濃度・分数)。1問ごとに時間を計る | 1日10問、30分 |
| 1か月以上 | 問題集の該当章を3周。2周目以降は間違えた問題だけ | 週2回、各30分 |
損益算・速度算・割合は、非言語のなかで最も「勉強時間あたりの伸び」が大きい単元です。
時間がない人ほど、推論より先にここを固めてください。
SPI全体の勉強計画は「SPI対策の始め方|出題範囲と勉強法」、1問あたりの時間配分は「SPIの時間配分と1問あたりの目安」で解説しています。
よくある質問(FAQ)
SPIの損益算とは、どのような問題ですか?
SPIの損益算とは、商品の原価に利益を上乗せして定価をつけ、割引して売ったときの利益・割引率・原価などを求める問題です。
使う公式は「定価=原価×(1+利益率)」「売価=定価×(1−割引率)」「利益=売価−原価」の3つだけで、非言語のなかでは最も公式が少ない単元です。
テストセンターでは1つの設定から2〜3問が続く組問題として、WEBテスティングでは数値を入力する形式で出題されます。
出題パターンは基本・割引率の逆算・原価の逆算・個数の連立・総利益の5つに整理できます。
損益算の公式はいくつ覚えればよいですか?
3つです。
「定価=原価×(1+利益率)」「売価=定価×(1−割引率)」「利益=売価−原価」を覚えれば、すべての損益算はこの組み合わせで解けます。
公式そのものより重要なのは基準で、利益率は原価に対する割合、割引率は定価に対する割合です。
この基準を取り違える誤答が、運営事務局の模擬演習でも最も多く見られます。
損益算は捨てても大丈夫ですか?
おすすめしません。
損益算は公式3つ・出題パターン5つ程度で、数日〜1週間で得点源にできる単元です。
また、SCOAやCUBIC、企業独自の筆記試験でも同じ形で出題されるため、覚えた公式は他形式でもそのまま使えます。
受検が明日で公式を1つも知らない場合でも、基本パターンと個数パターンの2つだけは10分程度で押さえられます。
WEBテストの損益算は、テストセンターと何が違いますか?
WEBテスティング(自宅受検)では選択肢がなく、数値を直接入力する形式が中心です。
そのため、割引率や個数を「選択肢から逆算する」ことができず、自力で確定させる必要があります。
テストセンターでは選択式で、1つの設定から複数の設問が続く組問題が多く出ます。
組問題では1問目の答え(定価など)を2問目以降で使うため、途中の数値をメモに残しておくことが重要です。
SCOAや他の適性検査の損益算・計算問題は、SPIと同じですか?
考え方は同じです。
SCOAの数理分野やCUBICの数理、企業独自の筆記試験でも、原価・定価・売価の関係を問う問題や、割合・分数の計算問題が出題されます。
違いは、SPIより計算そのものの比重が高い形式があることです。
分数の計算や小数の掛け算を単独で問われることがあるため、計算問題が多い形式を受ける人は、分数の割り算(逆数の掛け算)と約分を先に確認しておいてください。
損益算・速度算は1問何秒で解けばよいですか?
損益算は1問30秒〜1分、速度算・割合も同程度が目安です。
運営事務局の模擬演習では、公式を覚えている受検者はこの範囲に収まっています。
【要確認:実測値】
2分以上かかる場合は、計算ではなく「どの公式を使うか」で迷っていることが多いため、問題文の決まり文句(「〜の利益を見込んで」「損も得もない」)を式に訳す練習を優先してください。
まとめ
SPI損益算のポイントは、次の3点です。
- 公式は「定価=原価×(1+利益率)」「売価=定価×(1−割引率)」「利益=売価−原価」の3つだけ
- 利益率の基準は原価、割引率の基準は定価。この取り違えが最も多い誤答
- 出題パターンは基本・割引率の逆算・原価の逆算・個数の連立・総利益の5つ
速度算は「速さ=距離÷時間」と単位換算、割合は「もとにする量×割合」と濃度・分数の扱いを押さえれば、まとめて得点源になります。
損益算・速度算・割合は、非言語のなかで最も短期間で伸びる単元です。
捨てるのではなく、最初に固める単元として位置づけてください。
SPI全体の対策手順は「SPI対策の始め方」を、他形式も含めた全体像は「Webテスト対策の完全ガイド」を参考にしてください。
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