SPI濃度算・食塩水の解き方|てんびん法と練習問題

この記事でわかること

  • 濃度算で覚えるべき式は「食塩の量=食塩水の量×濃度」の1本だけという考え方
  • 加水・蒸発・食塩追加で何が変わり、何が変わらないのかの整理
  • てんびん法が使える場面と、使うと遅くなる場面の切り分け
  • 練習問題5問(混合・加水・蒸発・逆算)と、1問1分で解くための手順
  • SCOAなど他の適性検査での濃度算の扱いと、対策の優先順位

著者:テストビズ運営事務局
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最終更新日:2026年9月7日

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濃度算とは?食塩の量を基準に考える問題

濃度算とは、食塩水の濃さと重さの関係を扱う問題です。
覚える式は「食塩の量=食塩水の量×濃度」の1本で足り、他はすべてこの式の変形です。

濃度とは、食塩水全体に対する食塩の割合を指します。
8%の食塩水250gであれば、食塩は 250×0.08=20g です。

3つの量の関係を1つの式に集約する

求めたいもの
食塩の量 食塩水の量×濃度
濃度 食塩の量÷食塩水の量
食塩水の量 食塩の量÷濃度

3つに見えますが、実際には最初の式を移項しているだけです。
式を3つ暗記するのではなく、1つを変形できる状態にしておくほうが本番で迷いません。

「食塩水の量」に食塩も含まれる点に注意

食塩水200gとは、水と食塩を合わせて200gという意味です。
水が200gあるわけではありません。

ここを取り違えると、食塩を加える問題で分母を間違えます。
食塩を10g加えたとき、食塩の量も食塩水の量も両方10g増える、と押さえてください。

SPIで濃度算はどのくらい出る?

濃度算は「頻出」とする解説と、範囲一覧に含めない解説の両方があります。
一方でSCOAでは数理の出題範囲として明示された、定番の分野です。

解説によって扱いが違う

SPIの制作元であるリクルートマネジメントソリューションズは、能力検査の出題分野を公表していません。
そのため、出題頻度に関する記述はすべて対策本や受検報告に基づく推定です。

情報源の傾向 濃度算の扱い
SPI対策メディア 非言語の頻出分野として練習問題を掲載
SPI専門サイトの範囲一覧 損益算・速度算・仕事算は挙げるが、濃度算を独立項目にしない場合がある
SCOAの解説 数理の出題範囲に「濃度算・速度算」として明記

「SPIに濃度算は出ない」と聞いて捨ててしまう受検者がいる、と指摘する対策サイトもあります(2026年9月7日確認)。

運営事務局としての優先順位

私たちが個別対策で見ている限り、濃度算は割合の理解を測る問題として、形式を問わず登場しやすい分野です。
損益算や速度算と同じく「割合と比」の応用にあたるため、ここを固めると他の分野の理解も安定します。

  • 覚える式は1本のみで、習得にかかる時間は短い
  • 割合の考え方が身につくので、損益算・仕事算にも波及する
  • ただし推論ほどの優先度はなく、主要分野の後で構わない

非言語全体の優先順位は「SPI非言語の対策」(No.39)、学習の入口は「SPI対策の始め方」(No.32)にまとめています。

濃度算の基本は「食塩の量が変わるかどうか」で決まる

濃度算は、操作によって食塩の量が変わるか変わらないかを見分ければ、ほぼ処理できます。
水を加える・蒸発させる操作では食塩の量は変わらず、分母だけが動きます。

操作ごとの変化を整理する

操作 食塩の量 食塩水の量 濃度
水を加える 変わらない 増える 下がる
水を蒸発させる 変わらない 減る 上がる
食塩を加える 増える 同じだけ増える 上がる
濃度の違う食塩水を混ぜる 両方の合計 両方の合計 間の値になる

最初にやるべきことは、問題文を読んで「食塩の量が変わるか」に印を付けることです。
ここが決まれば、あとは計算するだけになります。

解く手順を4ステップで固定する

  1. 出てくる食塩水ごとに、量と濃度を書き出す
  2. それぞれの食塩の量を計算して書き込む
  3. 操作の前後で、食塩の量と食塩水の量がいくつになるかを求める
  4. 濃度=食塩の量÷食塩水の量 で答えを出す

濃度の計算を最後にまとめることで、途中で割り算をする回数が減ります。
1問1分を目安にすると、この手順で十分に間に合います。

てんびん法はいつ使う?混ぜる問題に限定する

てんびん法は、濃度の違う2つの食塩水を混ぜる問題でのみ威力を発揮します。
加水や蒸発、食塩の追加では手順が増えるため、基本の式で解いたほうが速くなります。

てんびん法の仕組み

数直線上に2つの濃度を置き、混ぜた後の濃度を支点と考えます。
このとき、支点からの距離の比と、食塩水の重さの比が逆になります

4%と12%を混ぜて9%になった場合、支点までの距離は 9-4=5 と 12-9=3 です。
距離の比が5:3なので、重さの比はその逆で3:5になります。

確認すると、4×3+12×5=72、これを8で割ると9%となり一致します。

使う場面と使わない場面

問題の型 おすすめの解き方
濃度の違う2つを混ぜて濃度を求める てんびん法
混ぜて指定の濃度にする重さを求める てんびん法
水を加える・蒸発させる 基本の式
食塩を加える 基本の式
3つ以上を混ぜる 基本の式(2つずつなら段階的にてんびん法も可)

水を「濃度0%の食塩水」とみなせばてんびん法も使えますが、慣れないうちは混乱のもとです。
混ぜる問題だけに使う、と割り切ったほうが本番での判断が速くなります。

なお、てんびん法は中学受験の食塩水と平均算で広く使われてきた手法です。
平均点を求める問題にもそのまま応用できるため、覚えて損はありません。

練習問題5問|混合・加水・蒸発・逆算を1周する

5問を通せば、濃度算で問われる型はほぼ網羅できます。
解いた後は必ず、食塩の量が保存されているかを見返してください。

問題1(混合)

5%の食塩水200gと10%の食塩水300gを混ぜると、濃度は何%になるか。

【解答】8%
【解説】食塩は 200×0.05=10g と 300×0.10=30g で、合計40g。食塩水は500g。40÷500=0.08。
てんびん法なら重さの比が2:3なので、距離の比は3:2。5%から5×(3/5)=3進んで8%となります。

問題2(加水)

12%の食塩水300gに水を100g加えると、濃度は何%になるか。

【解答】9%
【解説】食塩は 300×0.12=36g で、水を加えても変わりません。食塩水は400gになるため、36÷400=0.09。

問題3(蒸発)

8%の食塩水250gから水を50g蒸発させると、濃度は何%になるか。

【解答】10%
【解説】食塩は 250×0.08=20g のまま変わりません。食塩水は200gに減るため、20÷200=0.10。

問題4(逆算・蒸発量)

6%の食塩水500gを10%にするには、水を何g蒸発させればよいか。

【解答】200g
【解説】食塩は 500×0.06=30g。この30gが10%にあたる食塩水の量は 30÷0.10=300g。
もとの500gとの差である200gが、蒸発させる水の量です。

問題5(逆算・混合量)

10%の食塩水200gに20%の食塩水を混ぜて16%にしたい。20%の食塩水は何g必要か。

【解答】300g
【解説】てんびん法で考えます。支点までの距離は 16-10=6 と 20-16=4 で、比は6:4=3:2。
重さの比はその逆で2:3となるため、200:x=2:3 から x=300g。
検算すると 20+60=80g、500g中の80gで16%となり一致します。

問題4と5のような逆算型が、本番で差がつくところです。
求めるものが濃度ではなく「量」になっても、手順は変わりません。

濃度算で失点する人には共通点がある

運営事務局が見てきた失点は、計算力ではなく問題文の読み取りで起きています。
「水を加えると食塩も減る」という誤解と、%と小数の変換ミスが二大要因です。

運営事務局が見てきた実例

相談事例1:転職活動中の30代の方
水を加える問題で、食塩の量まで薄まると考えて計算していました。
食塩は溶けているだけで量は変わらない、という点を図に描いて確認したところ、その場で正答できるようになっています。
知識ではなく、イメージの取り違えが原因でした。

相談事例2:大学3年生の方(テストセンター受検)
12%を0.12ではなく1.2として計算し、答えが10倍ずれていました。
桁が大きく外れたときは%と小数の変換を疑う、というチェックを手順に入れて解消しています。

相談事例3:文系の大学院生の方
てんびん法を覚えたものの、加水や蒸発の問題にも使おうとして手が止まっていました。
「混ぜる問題だけに使う」と用途を限定したことで、模擬演習の所要時間が1問あたり30秒ほど短くなりました。

ミスの原因と直し方

よくあるミス 原因 直し方
加水で食塩まで減らす 濃度と量を混同している 「食塩の量は変わらない」を最初に確認
答えが10倍ずれる %と小数の変換ミス 12%=0.12を書いてから計算する
分母を間違える 食塩水に食塩が含まれることを忘れる 食塩を加えたら分母も同じだけ増やす
てんびん法で逆比を忘れる 距離と重さの対応が曖昧 「距離が長いほうが軽い」と覚える
時間がかかる 途中で何度も割り算している 食塩の量を先に全部出してから割る

答えの濃度が、混ぜた2つの濃度の間に収まっているかを見るだけでも、多くの計算ミスは弾けます。
時間配分の考え方は「SPIの時間配分と1問あたりの目安」(No.51)を参照してください。

SCOAなど他の適性検査の濃度算はどう違う?

SCOAでは濃度算が数理の出題範囲に明示され、SPIより確実に準備する価値があります。
形式が変わっても、食塩の量を基準に考える解き方は同じです。

SCOAでの位置づけ

適性検査対策講座を提供する大人塾の解説によると、SCOAの数理の出題範囲には四則計算・方程式・不等式・2次方程式・平方根に加えて、濃度算と速度算が挙げられています(2026年9月7日確認)。
シンプルな問題が中心で、数学の基礎を理解していれば対応できる、という説明です。

ただしSCOAは1問あたり約30秒で処理する必要があるとされており、考え込む余裕はありません。
SPI以上に、手順を固定して即座に立式できる状態が求められます。

項目 SPI SCOA
濃度算の扱い 頻出とする解説と、範囲一覧に入れない解説がある 数理の出題範囲として明記
問題の傾向 逆算型や複数回の操作を含むものが出るとされる シンプルな計算問題が中心
求められる速さ 1問1分程度 1問約30秒

SCOA全体の進め方は「SCOA対策」(No.95)、数理と論理の詳細は「SCOAの数理・論理対策」(No.100)にまとめています。

形式が違っても解き方は変わらない

濃度算は、SPI・SCOAのほか、公務員試験の教養科目や一般常識でも扱われます。
出題元が変わっても、食塩の量を基準に考えるという原則は同じです。

そのため「適性検査 濃度算」として一度仕上げておけば、受検する形式が途中で変わっても対応できます。
本記事はもともと「SPI場合の数・確率・組み合わせの解き方」(No.43)から分割したもので、割合系の分野をまとめて確認したい場合はそちらも参考になります。

受検する形式がまだ分からない場合は「WebテストのURL見分け方」(No.4)で先に特定してください。
短期で全体を組み立てる場合は「Webテスト対策を1週間で仕上げる短期計画」(No.10)、形式をまたいだ全体像は「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)が出発点になります。

よくある質問(FAQ)

SPIに濃度算は出題されますか?

出題範囲は公表されていないため、確実なことは言えません。
リクルートマネジメントソリューションズが能力検査の分野を公開していないためです。
実際、SPI対策メディアの多くは頻出分野として練習問題を掲載していますが、範囲一覧に濃度算を独立して挙げていない解説サイトもあります。
ただし濃度算は「割合と比」の応用にあたり、割合の理解を測る問題として登場しやすい分野です。
覚える式は1本だけで習得も短時間で済むため、捨てるより押さえておくほうが効率的だと考えています。

濃度算で覚えるべき公式はいくつですか?

1つだけです。
「食塩の量=食塩水の量×濃度」を覚えれば、濃度を求めるときも食塩水の量を求めるときも、この式を変形するだけで対応できます。
式を3つ暗記しようとすると、本番でどれを使うか迷う時間が生まれます。
運営事務局の個別対策でも、公式を3本覚えている方より1本を変形できる方のほうが、明らかに処理が速い傾向があります。
まずは食塩の量を先に全部書き出す、という手順に慣れてください。
なお「濃度」と「食塩水の量」を混同しないことも重要です。
食塩水200gには食塩も含まれており、水が200gあるわけではありません。

てんびん法は必ず覚えるべきですか?

必須ではありませんが、混ぜる問題では明確に速くなります。
濃度の違う2つの食塩水を混ぜる場合、支点からの距離の比と重さの比が逆になるという性質を使うと、計算をほとんどせずに答えが出ます。
一方で、水を加える問題や蒸発の問題に使おうとすると、かえって手順が増えます。
用途を「混ぜる問題だけ」に限定して覚えるのが、費用対効果の高い使い方です。
基本の式だけで全問解ける方は、無理に切り替える必要はありません。
てんびん法はもともと中学受験の食塩水や平均算で使われてきた手法で、平均点を求める問題にもそのまま応用できます。
余力があれば、混合問題の検算用として持っておくと安心です。

水を加えたとき、食塩の量はどうなりますか?

変わりません。
水を加えても食塩は増えも減りもせず、変わるのは食塩水全体の量、つまり分母だけです。
12%の食塩水300gに水を100g加えた場合、食塩は36gのままで、食塩水が400gになるので濃度は9%になります。
逆に水を蒸発させた場合も食塩の量は変わらず、分母が減るぶん濃度が上がります。
「食塩を加えたときだけ、分子と分母の両方が増える」と整理しておくと混乱しません。
運営事務局の個別対策でも、この取り違えは最も多い誤答の原因でした。
図に食塩の粒を描いて、水だけが増減するイメージを持つと定着しやすくなります。

「scoa 濃度算」はSPIと同じ対策でよいですか?

解き方は同じで問題ありません。
大人塾の解説によると、SCOAの数理の出題範囲には濃度算と速度算が含まれ、シンプルな問題が中心とされています(2026年9月7日確認)。
違いは求められる速さで、SCOAは1問あたり約30秒での処理が必要とされています。
そのため、立式に迷わず即座に食塩の量を書き出せる状態まで練習しておくことをおすすめします。
また、SCOAは誤謬率が測定されていないとされるため、分からない問題も空欄にせず埋めておくほうが有利です。

濃度算は何分で解くべきですか?

1問1分が目安です。
食塩の量を書き出し、操作の前後で量を追い、最後に割り算をするだけなので、手順が固まっていれば十分に間に合います。
時間がかかる原因の多くは、途中で何度も割り算をしていることです。
食塩の量を先にすべて出してから最後にまとめて割る、という順番に変えるだけで20〜30秒短縮できる方が多くいらっしゃいます。
逆算型の問題でも手順は同じで、求めたい量を先に文字で置くのではなく、確定している食塩の量から逆算するほうが速く済みます。

「spi 濃度」で検索したのですが、性格検査とは関係ありますか?

関係ありません。
「濃度」はすべて非言語(数学)の分野の話で、性格検査とは無関係です。
検索結果に濃度算の解説と性格検査の記事が混ざって表示されることがありますが、濃度算は割合の計算問題です。
非言語で扱う割合系の分野には、ほかに損益算、料金割引、仕事算、速度算などがあり、いずれも同じ「割合と比」の考え方が土台になっています。
そのため濃度算を固めると、他の分野の理解も同時に進みます。
性格検査の対策とは切り分けて、非言語の学習時間の中で扱ってください。
言語・非言語それぞれの進め方は、非言語の総論記事に整理しています。

まとめ

濃度算は、食塩の量を基準に考えれば処理できる分野です。
覚える式は「食塩の量=食塩水の量×濃度」の1本だけで足ります。

要点をもう一度整理します。

  • 水を加える・蒸発させる操作では、食塩の量は変わらない
  • 食塩を加えるときだけ、分子と分母の両方が増える
  • 手順は、量と濃度を書き出す→食塩の量を出す→操作後を求める→最後に割る
  • てんびん法は混ぜる問題だけに使い、距離と重さは逆比
  • SCOAでは数理の出題範囲として明示され、1問約30秒が求められる

濃度算は、割合の理解がそのまま点になる分野です。
損益算や仕事算にも同じ考え方が使えるため、ここを固めると非言語全体が安定します。
まずは練習問題5問を、手順どおりに1周してみてください。

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