この記事でわかること
- SPIで図形問題(回転・展開図などの空間把握)はほぼ出題されないこと、その根拠と限界
- 「図形問題」と呼ばれるものが4種類あり、混同されていること
- 回転・展開図・法則性が実際に出るのはどの適性検査か(TG-WEB従来型・CAB・SCOAなど)
- 回転問題を印1つで判定する方法と、展開図の平行面ルール
- 法則性の問題を「何が変化しているか」で分解する手順
- SPI対策で図形に手を出す前に確認すべきこと
執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)
2021年開業の学習支援チームが運営するWebテスト対策サービスです。運営チーム累計6,000件超の学習相談実績(レポート等の支援を含む)をもとに、SPI・玉手箱・TG-WEB・GAB/CAB・SCOA・CUBIC等の個別対策と模擬演習を提供しています。本記事は、匿名化した相談事例と模擬演習の記録をもとにまとめました。
「SPIの図形問題が解けない」という相談は毎年届きますが、話を聞くと、受けるのはSPIではなかったというケースが少なくありません。
この記事では、まずSPIで図形が出るのかをはっきりさせたうえで、実際に出る形式での解き方を扱います。
対策の時間を無駄にしないために、最初の判断から順に進めてください。
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SPIで図形問題は出る?回転・展開図はほぼ出題されない
SPIの非言語で出る「図形」は、図表やグラフの読み取りである。回転・展開図・積み木のような空間把握の問題は、一般的な出題分野には含まれない。
結論から言うと、SPIの対策として展開図や回転の練習をする必要性は高くありません。
提供元であるリクルートマネジメントソリューションズは出題範囲の詳細を公開しておらず、テスト内容に関する問い合わせにも回答しない方針をとっています。
そのため「絶対に出ない」と断定はできませんが、対策各社が公表している非言語の分野一覧に、回転や展開図が入ることはまずありません。
一般に挙げられるSPI非言語の分野は次のとおりです。
| 分野 | 図形との関係 |
|---|---|
| 推論 | 図を書いて整理することはあるが、空間把握ではない |
| 図表の読み取り | グラフや表を読む。ここが「図形」と誤解されやすい |
| 集合 | ベン図を使うが、作図の正確さは問われない |
| 損益算・料金の計算 | 図形とは無関係 |
| 場合の数・確率 | 図形とは無関係 |
| 速度算・仕事算 | 線分図を使うことはある |
| グラフの領域 | 直線や不等式の領域を扱う。空間把握とは別 |
このうち、図表の読み取りとグラフの領域は「SPI図表の読み取り・グラフの領域の解き方」(No.44)で個別に扱っています。
SPI対策として時間を割くなら、展開図ではなくこちらです。
そもそも「図形問題」とは何を指す?4種類の混同を整理する
適性検査で「図形問題」と呼ばれるものは4種類ある。どれを指しているかで、必要な対策はまったく変わる。
検索や口コミで「図形が出た」という情報を見かけたとき、指しているものが違っている場合があります。
まず言葉を分けてください。
| 呼び方 | 内容 | 主に出る検査 |
|---|---|---|
| 図表の読み取り | 表・グラフから数値を読み、計算する | SPI、玉手箱、GAB |
| 平面図形 | 面積・角度・相似などを計算する | SCOA、一部の独自試験 |
| 空間把握 | 展開図、回転、積み木、サイコロ | TG-WEB従来型、CAB、SCOA、公務員試験 |
| 図形配置 | 与えられた図形を自由に配置する(正解・不正解がない) | TAL |
とくに紛らわしいのが、最後の図形配置です。
これは能力を測る問題ではなく、性格や適性を見る目的の設問で、解き方という概念自体がありません。
TALについては「TALの図形配置問題とは?」(No.106)で別に扱っています。
自分が受ける検査でどの種類が出るのかを確認しないまま練習を始めると、方向違いの努力になります。
形式の見分け方は「WebテストのURL見分け方」(No.4)にまとめました。
空間把握が出るのはどの適性検査?
回転・展開図・法則性が本格的に出るのは、TG-WEB従来型、CAB、SCOAである。SPIを想定した対策とは、必要な準備がまったく違う。
形式ごとの出方を整理します。
| 検査 | 出る内容 | 対策の重さ |
|---|---|---|
| TG-WEB(従来型) | 展開図、暗号、図形の法則 | 重い。事前に解法を知らないと厳しい |
| CAB | 法則性、命令表、暗号 | 重い。形式独特で慣れが必要 |
| SCOA | サイコロ、空間図形、数列 | 中。範囲が広く1問に時間をかけられない |
| 公務員試験(教養) | 判断推理・空間把握として頻出 | 重い。専用の学習が前提 |
| SPI | ほぼ出ない | 対策不要と考えてよい |
TG-WEBの従来型は「TG-WEB従来型の計数」(No.76)、CABは「CAB対策」(No.92)、SCOAは「SCOAの数理・論理対策」(No.100)にそれぞれ詳しくまとめています。
公務員試験でSCOAが使われる場合は、出題範囲が民間向けと変わる点にも注意してください。
回転の問題はどう解く?印を1つ決めて追う
回転問題は、図全体を頭の中で回そうとすると必ず時間が足りなくなる。特徴的な部分を1つだけ決め、その位置がどこへ動くかで選択肢を絞るのが基本である。
回転は、イメージ力の勝負に見えて、実際は消去法の作業です。
手順は次のとおりです。
- 図の中でもっとも特徴的な部分(尖った角、色の濃い部分、他と違う模様)を1つ選ぶ
- 問題文の回転(右に90度など)に従い、その部分がどの位置に来るかだけを決める
- 選択肢のうち、その位置が合わないものを消す
- 残った選択肢について、2つ目の特徴で再度確認する
【例題】正方形の左上に黒い丸、右下に白い三角がある図を、時計回りに90度回転させた図はどれか。
左上のものは、時計回りに90度回すと右上に移動します。
つまり黒い丸が右上にない選択肢は、それだけで除外できます。
残った選択肢について、白い三角が左下に来ているかを確認すれば決まります。
注意すべきは、鏡像(裏返した図)が選択肢に混ざるパターンです。
回転では左右の位置関係が入れ替わらないため、位置関係が反転している図は回転では作れません。
「回転か、裏返しか」を見分けるだけで、選択肢が1つ2つ落とせます。
展開図はどう解く?平行になる面のルールを使う
立方体の展開図は、組み立てを想像せずに解ける。展開図上で1マス空けて同じ列に並ぶ2つの面は、組み立てたとき必ず向かい合う(平行になる)。
展開図は、ルールを1つ覚えるだけで大半が処理できる分野です。
覚えるべきことは次の3点です。
- 立方体の展開図では、同じ列に1マス空けて並ぶ面どうしが平行になる
- 平行な面が確定すれば、残りの4面はすべて隣り合う面になる
- L字に折れている部分は、間の面を軸に90度回転させて考えると位置が揃う
サイコロの問題では、向かい合う面の数の和が7になるという条件がよく使われます。
この場合、平行面のルールと組み合わせると、展開図を組み立てずに答えが出ます。
| 手がかり | 使い方 |
|---|---|
| 1マス空けて並ぶ面 | 平行(向かい合う)と確定できる |
| 隣り合う面 | 組み立てても隣り合う。平行にはならない |
| サイコロの目 | 向かい合う面の和は7 |
| 模様の向き | 隣接する辺を基準にそろえて判断する |
【例題】ある展開図を組み立ててサイコロをつくったところ、1の面と隣り合う面に2・3・4・5があった。1の向かい側の面はいくつか。
向かい合う面の和は7なので、1の向かい側は6です。
隣り合う面として挙がっている2・3・4・5は、どれも1と平行にならないため、消去法でも同じ結論に至ります。
このように、展開図の形を読む前に数の条件だけで決まる設問も少なくありません。
頭の中で立体を回す作業は、慣れている人でも時間がかかります。
平行面のルールで機械的に処理するほうが速く、ミスも減ります。
積み木の問題はどう数える?段ごとに分けて数える
積み木の個数を問う問題は、立体のまま数えると必ず見落としが出る。段ごとに平面へ分解し、1段ずつ個数を数えて合計するのが確実である。
積み木は、見えない位置にあるブロックをどう扱うかで差がつきます。
「支えているブロックは必ず存在する」という前提を使って処理します。
- 立体を上から見て、何段あるかを確認する
- 一番下の段から順に、各段を平面図として数える
- 上の段にブロックがある位置は、その下の段にも必ずブロックがあると考える
- 各段の個数を合計する
たとえば3段の立体で、上段に2個、中段に5個、下段に9個であれば、合計16個です。
上段のブロックが乗っている位置には、中段・下段にも必ずブロックがあるため、見えない部分も数に入ります。
| 問われ方 | 数え方 |
|---|---|
| 全部で何個あるか | 段ごとに数えて合計する |
| あと何個で直方体になるか | 完成形の個数(縦×横×高さ)から現在の個数を引く |
| 表面積・塗られた面の数 | 段ごとに、外側に露出している面だけを数える |
「あと何個必要か」を問う設問は、完成形から引くだけで終わります。
足りない部分を一つずつ数えるより速く、数え落としも起きません。
運営事務局が見てきた実例:出ない分野に時間を使ってしまう
この分野の相談で最も多いのは、解き方の質問ではなく、対策の方向がずれているケースです。
- SPIだと思って展開図を1週間練習していた:実際に受けたのは玉手箱で、出たのは図表の読み取りと四則逆算だった。練習した内容は1問も使われませんでした
- 「適性検査 図形」で調べて公務員試験用の問題集を購入していた:民間企業向けの検査とは難易度も出題形式も異なり、必要以上に難しい問題に時間を使っていました
- TALの図形配置に「正解」を求めて練習していた:性格・適性を見る設問のため、解法を覚える対象ではありません
いずれも、受検する検査の種類を確定させる前に対策を始めたことが原因でした。
案内メールのURLや企業からの説明で形式を特定するのは、10分もかからない作業です。
図形の練習を始める前に、この10分を先に使ってください。
法則性の問題はどう解く?変化を要素ごとに分解する
法則性の問題は、図全体の変化を一度に捉えようとすると解けない。回転・移動・増減・反転の4要素に分けて、1つずつ変化を追うのが基本である。
CABなどで出る法則性は、複数の図が並び、そこに共通するルールを見つける形式です。
見るべき要素は決まっています。
| 要素 | 確認すること |
|---|---|
| 回転 | 図形が一定の角度ずつ回っていないか |
| 移動 | 特定の部品が決まった方向に動いていないか |
| 増減 | 点や線の数が一定数ずつ増減していないか |
| 反転・色の交替 | 白黒が入れ替わる、左右が反転していないか |
1つの図に複数のルールが同時に働いていることも多いため、まず1要素だけに注目して最後まで追い、それが説明できたら次の要素に移ります。
最初から全部を同時に見ようとすると、どのルールも確定できません。
CAB特有の解き方は「CAB法則性問題の解き方」(No.275)にまとめています。
練習は必要?時間の使い方の判断基準
空間把握の練習が必要かどうかは、受検する検査で決まる。SPIだけを受けるのであれば、図形の練習に時間を使う必要はない。
判断の基準を整理します。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| SPIのみを受ける | 図形の練習は不要。推論と図表の読み取りに時間を回す |
| TG-WEB従来型を受ける可能性がある | 展開図と暗号の解法パターンを事前に確認しておく |
| IT・SE職でCABがある | 法則性と命令表は必須。形式に慣れる時間が要る |
| SCOAを受ける | サイコロと空間図形は出るが、深追いはしない |
| 形式が未確定 | まず形式の特定を優先する |
非言語全体の優先順位は「SPI非言語の対策」(No.39)、そもそも何から手をつけるか迷う場合は「SPI対策の始め方」(No.32)を確認してください。
複数形式を並行して準備する必要がある人は、「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)で全体像を整理してから配分を決めるほうが早く進みます。
よくある質問(FAQ)
Q1. SPIで図形問題は本当に出ないのですか?
提供元が出題範囲の詳細を公開していないため、「絶対に出ない」と断定することはできません。
ただし、対策各社が公表している非言語の分野一覧に、回転や展開図といった空間把握の問題が含まれることはほとんどありません。
また、テストセンターは受検者の解答状況に応じて出題が変わるため、そもそも固定の出題リストが存在しません。
実務的な判断としては、SPI対策で展開図に時間を使う必要はない、と考えて差し支えありません。
その時間は推論や図表の読み取りに回すほうが、得点への影響がはるかに大きくなります。
Q2. SPIの「図表の読み取り」と図形問題は違うものですか?
別のものです。
図表の読み取りは、表やグラフから数値を読み取って計算する問題で、SPI非言語の主要分野の1つです。
一方、図形問題(空間把握)は、立体や図形そのものの形を扱う問題を指します。
検索結果で「SPIの図形」と書かれている記事の多くは、実際には図表の読み取りを指しています。
用語が混ざっているだけなので、内容を見て判断してください。
Q3. テストセンターで図形問題が出たという話を見ましたが?
まず、その人が受けたのがSPIのテストセンターだったかを確認する必要があります。
テストセンター形式で実施される検査はSPIだけではなく、C-GABなど他の検査も同じ会場方式を採用しています。
「テストセンターで受けた」という情報だけでは、検査の種類までは特定できません。
また、体験談は記憶に基づくもので、図表の読み取りを図形問題と表現している可能性もあります。
不確かな情報を根拠に対策範囲を広げると、時間の配分が崩れます。
Q4. 展開図が苦手です。コツはありますか?
組み立てを想像するのをやめて、平行面のルールで処理してください。
立方体の展開図では、同じ列に1マス空けて並ぶ面が、組み立てたときに向かい合います。
平行になる面の組が決まれば、残りはすべて隣り合う面だと確定します。
サイコロの問題であれば、向かい合う面の和が7という条件も併用できます。
イメージ力ではなくルールの適用で解く分野だと考えると、負担が大きく減ります。
Q5. 空間把握はどのくらい対策すればいいですか?
受ける検査によります。
TG-WEB従来型やCABが確定しているなら、解法パターンを一通り確認する時間は必要です。
一方、SPIだけであれば対策は不要です。
判断がつかない段階で幅広く手を出すより、まず受検形式を特定するほうが結果的に速く進みます。
形式が分かってから、その形式に必要な範囲だけを準備してください。
Q6. 適性検査の図形問題は練習で伸びますか?
伸びます。
空間把握は生まれ持った感覚の問題だと思われがちですが、実際には平行面のルールや変化要素の分解といった、手順の知識で処理できる部分が大半です。
苦手意識がある人ほど、イメージで解こうとして時間を使っている傾向があります。
ルールを覚えて機械的に当てはめる方式に切り替えると、短期間でも変化が出ます。
ただし、その練習が必要な形式かどうかの確認だけは先に済ませてください。
まとめ
SPIの図形問題については、まず前提を整理することが対策になります。
- SPIで出る「図形」は図表の読み取り。回転や展開図はほぼ出題されない
- 「図形問題」は図表の読み取り・平面図形・空間把握・図形配置の4種類に分かれる
- 空間把握が本格的に出るのはTG-WEB従来型、CAB、SCOA、公務員試験
- 回転は特徴を1つ決めて追い、鏡像を除外する
- 展開図は1マス空けた面が平行というルールで機械的に解く
- 法則性は回転・移動・増減・反転の4要素に分けて1つずつ追う
やるべきことは、練習の前に受検形式を特定することです。
そのうえで必要な分野だけに絞れば、準備にかかる時間は大きく減ります。
複数の企業を並行して受けていて形式の整理が追いつかない場合は、テストビズのような個別対策の場で、受ける検査ごとに何を準備すべきかを切り分けるのも選択肢の一つです。
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