Webテストの替え玉受験について調べている方に、事実だけを整理してお伝えします。
この行為は、実際に逮捕・起訴され、有罪判決が言い渡された事例があります。
そして罪に問われたのは、代わりに受けた側だけではありませんでした。
著者:テストビズ運営事務局
2021年開業の学習支援チームが運営するWebテスト代行サービス。SPI・玉手箱・TG-WEB・GAB/CAB・SCOA・CUBICなど主要形式から企業オリジナルまで広範囲に対応し、運営チーム累計6,000件超の相談実績をもとに就職活動、転職活動に励む方を支援しています。
最終更新日:2026年9月8日
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この記事でわかること
- Webテストの替え玉受験が、どの罪として立件されたのか(条文と法定刑)
- 2022年の逮捕事例で、公判において何が明らかにされたのか
- 依頼した側がどう扱われたのか
- 入社後に発覚した場合、時間差でどんな問題が起きるのか
- 替え玉に頼らず、受検日までに得点を動かすための手順
運営事務局が提供しているのは学習支援と模擬演習のみです。
替え玉受検・代行の受託は一切行っておらず、依頼を受けることもありません。
Webテストの替え玉受験とは?第三者が本人になりすまして解答する行為です
Webテストの替え玉受験とは、受検者本人に代わって第三者がログインし、本人になりすまして解答を送信する行為を指します。相手が業者か知人かによって、評価が変わることはありません。
「代行」「代理受験」といった呼び方もされますが、指している行為は同じです。
SPI3のテストセンターに関するFAQでは、自分以外の人間のために受検する行為が替え玉受検として明記され、不正行為に該当するとされています。
他の受検者に補助を与える行為、補助を受ける行為も同様に列挙されています。
つまり、報酬の有無や関係性は判断基準に含まれていません。
友人に頼む場合も、業者に依頼する場合も、規約上の扱いは同じです。
替え玉受験は何罪になる?私電磁的記録不正作出・同供用として立件されました
報道された事例では、Webテストの替え玉受験が私電磁的記録不正作出・同供用の容疑で立件されています。刑法161条の2に定められた罪で、法定刑は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
刑法161条の2第1項は、人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理に用いる権利・義務または事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者を処罰する規定です。
第3項では、不正に作られた電磁的記録を人の事務処理の用に供した者も、同一の刑に処するとされています。
第4項により、供用については未遂も処罰の対象です。
この条文は1987年(昭和62年)の刑法改正で新設されました。
紙の文書に代わって電磁的記録が社会的な役割を担うようになったため、文書偽造罪に相当する保護を電磁的記録にも与える趣旨で設けられたものです。
「懲役」ではなく「拘禁刑」と書かれている理由
現在の条文は、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と規定されています。
一方で、2023年の判決を伝える報道では「懲役2年6月」と表記されています。
これは、懲役と禁錮を拘禁刑に一本化する刑法改正が後に施行されたためで、当時の判決の表記と現在の条文の文言が異なっているだけです。
罪の重さの枠組みが変わったわけではありません。
なお、運営事務局は法律の専門機関ではありません。
個別の事案でどの罪が成立するか、どう判断されるかは事情によって異なります。
具体的な状況について不安がある場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。
逮捕事例では何が起きた?公判で明らかになったこと
2022年11月21日、Webテストを代行して報酬を得ていた男性が私電磁的記録不正作出・同供用の容疑で逮捕され、2023年3月28日に懲役2年6月・執行猶予4年の判決を受けたと報じられています。起訴されたのは4件で、いずれも依頼人と共謀した行為として構成されていました。
報道によれば、この男性は元関西電力社員で、当時は電力関係の会社に勤務していたとされています。
大学院を修了後に外資系企業を経ており、前科前歴はなかったと報じられました。
公判に関する報道では、起訴されたのは2022年3月から4月にかけての4件で、いずれも被害企業と共犯者が異なるだけで構成は同じだったとされています。
内容は、依頼人と共謀のうえ、企業の新卒採用の適性検査に虚偽の回答を送信して記録させたというものです。
被告人は起訴内容を認めていたと報じられています。
ここで注目すべきなのは、起訴状の構成です。
「代行業者が単独で行った行為」ではなく、「依頼人と共謀した行為」として立件されている点が、依頼する側にとっての意味を持ちます。
依頼した学生側も送致されています
報道によれば、依頼した就活生についても同じ被疑事実で検察庁に送致されたとされています。
逮捕されていないというだけで、捜査機関は共犯者として捜査を進めていたと報じられました。
「頼んだだけだから関係ない」という区別が当然に成立するわけではない、というのが報道から読み取れる事実です。
「摘発例がなかったから大丈夫だと思った」という供述
この男性は取り調べで、ネットで調べても摘発例が見当たらなかったため問題ないと考えていた旨を述べたと報じられています。
数年間にわたって多数の依頼を請け負っていたともされています。
この供述が示しているのは、事例が表に出ていないことと、行為が違法でないことはまったく別だという当たり前の事実です。
そして現在は、摘発例も有罪判決も公になっています。
入社後に発覚したら?リスクは時間差で来ます
替え玉受験の問題は、選考中に発覚しなかった場合に消えるわけではありません。内定取消し、試用期間中の本採用拒否、入社後の懲戒という形で、時間差で表面化する可能性があります。
採用選考における虚偽申告をめぐっては、内定取消しの有効性が争われた裁判例があります。
東京地裁は令和6年7月18日の判決で、中途採用の選考過程における虚偽申告を理由とする内定取消しを有効と判断したと報告されています。
この判決では、新規採用の内定取消しに関する厳格な判断枠組みが中途採用にも当てはまることが明示されたうえで、取消しが認められたとされています。
ただし正確にお伝えすると、この裁判例は履歴書等の経歴に関する事案です。
運営事務局が確認した範囲では、Webテストの替え玉受験を理由とする解雇の有効性を直接扱った公表裁判例は見当たりませんでした。
したがって「発覚すれば必ず解雇される」といった断定はできません。
一方で、経歴詐称に関する裁判例の解説では、詐称が事前に判明していれば会社が採用しなかった、あるいは同じ条件では採用しなかったといえる場合に重大な詐称として扱われるという考え方が示されています。
適性検査の結果が選考の判断材料になっている以上、この枠組みと無関係とは考えにくいところです。
法的な処分に至らなくても残るもの
| 時期 | 起こりうること |
|---|---|
| 選考中 | 後段の会場型検査との結果の差、面接での深掘り |
| 内定後 | 内定取消しの検討対象になる |
| 試用期間中 | 適性検査の結果を前提とした期待値との差が評価される |
| 入社後 | 能力を前提に配属・業務が決まり、実務で差が出る |
相談を受けていて実感するのは、多くの人が刑事責任より先にこの段階で苦しくなるということです。
通過が目的だったはずが、通過してから問題が始まるという構図になります。
そもそも替え玉が成立しない受検方式があります
テストセンター方式とオンライン監視型では、顔写真付き本人確認書類による照合が行われるため、なりすましは仕組みとして成立しません。これは各テスト提供会社が公式に公表している運用です。
SPI3のテストセンターでは、リアル会場で会場スタッフが受検票と顔写真付き本人確認書類による本人確認を行い、受検中も監督員が巡回します。
オンライン会場でも、本人確認書類のチェックと持ち物検査、受検中の有人監督が実施されるとされています。
日本SHL社のC-GABについても、会場スタッフによる本人確認と試験監督の常駐が行われます。
また、AI監視型の受検方式も広がっています。
ヒューマネージのTG-WEB eyeは、AIが受検中の行動を監視し、不正が疑われる場合は受検結果とあわせて企業へ報告する方式です。
この方式が広がった背景には、2022年に報じられた替え玉受験の事件があるとされています。
形式ごとの詳しい違いは「SPI・玉手箱・GABの代行はバレる?形式別の発覚リスクと正攻法」で扱っています。
運営事務局が見てきた「頼む直前で止まった人」の共通点
替え玉を検討したうえで踏みとどまった方の相談を振り返ると、共通していたのは、状況を正確に把握した時点で依頼する理由が消えたという点でした。
以下は、運営チーム累計6,000件超の相談から、個人が特定されない形で整理したものです。
事例1:友人に頼もうとしていた大学3年生の方
業者ではなく、成績のいい同級生に頼もうと考えていたという相談でした。
「知り合いなら問題にならない」と考えていた点が、この方の誤解でした。
報道された事例で立件されたのは、報酬を得ていたかどうかではなく、なりすまして解答を送信した行為そのものです。
頼まれた側にも影響が及ぶと知り、依頼を取りやめています。
事例2:締切を読み違えていた方
残り2日だと思い込んでいた受検期限が、実際には8日後だったというケースです。
受検案内を一緒に確認したところ、判断の前提そのものが誤っていました。
期限の誤読は、相談のなかで最も多いパターンです。
事例3:満点が必要だと思っていた方
多くのWebテストは、全問正解を前提とした設計になっていません。
解ける問題を確実に取り、時間のかかる問題を見送るだけで、体感の難易度は変わります。
この方も、解く順番を変えただけで模擬演習の得点が伸びました。
替え玉に頼らず受検日に間に合わせるには?
残り日数が少ないほど、範囲を広げないことが得点に直結します。優先順位は、形式の特定、頻出分野の絞り込み、時間を計った演習の順です。
| 受検日まで | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 残り2〜3日 | 形式の特定、頻出2分野の解法確認、時間配分の練習 | 問題集を最初から通す |
| 残り1週間 | 形式別問題集を1周、間違えた問題だけ2周目 | 複数形式を同時に対策する |
| 残り2週間以上 | 非言語の全分野を一巡、模擬形式で本番同様に通す | 性格検査を作り込む |
最初にやるべきは、受検案内を読み直して締切日時を正確に把握することです。
次に、受検URLから出題形式を特定します。
形式が分かれば、対策すべき範囲は一気に絞り込めます。
形式の見分け方は「WebテストのURL見分け方」で、全体の進め方は「Webテスト対策の完全ガイド」で扱っています。
受検日が目前の場合は「Webテスト対策を1週間で仕上げる短期計画」が実務的です。
よくある質問(FAQ)
替え玉受験は具体的に何罪になるのですか?
報道された事例では、私電磁的記録不正作出・同供用の容疑で立件されました。
刑法161条の2に定められた罪で、法定刑は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
供用については未遂も処罰の対象とされています。
ただし、どの罪が成立するかは個別の事案によって判断が異なります。
運営事務局は法律の専門機関ではないため、具体的な事案については弁護士等にご相談ください。
依頼しただけでも罪に問われるのですか?
報道された事例では、起訴内容が「依頼人と共謀のうえ」という構成になっており、依頼した学生側も同じ被疑事実で検察庁に送致されたとされています。
逮捕されていないというだけで、捜査機関は共犯者として捜査を進めていたと報じられました。
「頼んだだけ」という区別が当然に成立するわけではありません。
個別の判断は事案によって異なるため、断定的なことは申し上げられません。
友人に頼む場合も同じ扱いですか?
受検規約上は、相手が業者か友人かという区別はありません。
自分以外の人間のために受検する行為が、不正行為として明記されています。
また、報道された事例で問題とされたのは報酬の有無ではなく、なりすまして解答を送信した行為そのものです。
頼まれた友人側にも影響が及ぶ可能性がある点は、依頼する前に考えておく必要があります。
一方で、一緒に問題集を解く、解法を教わるといった学習は問題ありません。
SPIや玉手箱でも替え玉はバレるのですか?
受検方式によります。
SPIのテストセンターやSHLのC-GABのように会場で実施される方式では、顔写真付き本人確認書類による照合が行われるため、なりすまし自体が成立しません。
オンライン監視型でも、本人確認と有人監督が実施されます。
自宅受検型についても、AI監視型の方式が広がっているほか、選考が進めば会場型の検査が課されることがあり、結果の差が表面化します。
入社後に発覚した場合、必ず解雇されるのですか?
必ずそうなるとは言えません。
運営事務局が確認した範囲では、Webテストの替え玉受験を理由とする解雇の有効性を直接扱った公表裁判例は見当たりませんでした。
一方で、採用選考時の虚偽申告を理由とする内定取消しが有効と判断された裁判例はあり、裁判所が選考時の虚偽を軽微な問題として扱っていないことは読み取れます。
また、法的処分に至らなくても、配属や評価の面で実務上の影響が生じる可能性は残ります。
もう頼んでしまいました。どうすればよいですか?
法的な対応については、弁護士等の専門機関にご相談ください。
そのうえで一般論として申し上げると、受検用のIDやパスワードを第三者に渡している場合、そのアカウントは自分の管理下にありません。
同じパスワードを他のサービスで使い回している場合は、そちらの変更を先に済ませてください。
今後の選考については、次の受検までに何を準備するかへ切り替えるほうが建設的です。
まとめ
Webテストの替え玉受験は、私電磁的記録不正作出・同供用の容疑で立件され、有罪判決が言い渡された事例があります。
刑法161条の2に定められた罪で、法定刑は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
起訴内容は依頼人と共謀した行為として構成されており、依頼した学生側も同じ被疑事実で送致されたと報じられています。
また、テストセンターやオンライン監視型では、顔写真付き本人確認により、なりすまし自体が成立しません。
選考中に発覚しなかったとしても、内定後、試用期間中、入社後という形で、リスクは時間差で残ります。
そして相談の現場で見てきたのは、替え玉を検討する理由の多くが、締切の誤読や満点が必要という思い込みだったという事実です。
状況が正確に把握できた時点で、依頼する理由は消えていきました。
まず受検案内を読み直し、URLから形式を特定し、頻出分野を2つに絞って時間を計って解いてください。
残り時間が少ないほど、範囲を広げないことが結果に直結します。
その判断が難しいときに、形式の特定と優先順位づけを一緒に整理するのが、運営事務局のような学習支援サービスの役割です。
参考にした一次情報
- 刑法161条の2(電磁的記録不正作出及び供用)の条文
- 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「テストセンターに関するよくある質問」「適性検査SPI3の受検時における不正行為防止の取組み」(SPI3公式サイト)
- 株式会社ヒューマネージ「オンラインAI監視型WEBテスト TG-WEB eye」(同社公式サイト)
- 東京地裁令和6年7月18日判決(労働判例1333号63頁)に関する法律事務所の解説記事
- 2022年11月の逮捕、公判および2023年3月の判決に関する各種報道
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