SPI順列・組み合わせ・確率の公式|区別する・しないの見分け方

この記事でわかること

  • SPIの順列と組み合わせを、問題文のどの言葉で見分けるか(区別する・しないの判断基準)
  • 覚えるべき公式は4つだけで足りること(順列・組み合わせ・円順列・重複順列)
  • 「少なくとも」「必ず隣り合う」など頻出パターンの処理手順
  • 確率を場合の数から求める手順と、余事象を使う条件
  • SCOA・玉手箱・TG-WEBで出る組み合わせ問題との違い
  • 計算を速くする約分のコツと、1問にかけてよい時間の目安

執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)

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SPIの順列でつまずく人の多くは、公式を忘れているのではありません。
その問題で順番を区別するのかどうかを、その場で決められないだけです。
この記事では、判断の基準をキーワードのレベルまで落として整理し、公式・確率・頻出パターンまで一続きで扱います。

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SPIの順列と組み合わせの違いは?順番を区別するかどうか

SPIの順列とは、選んだものを並べる順番まで区別して数える考え方である。組み合わせは順番を区別せず、選ばれた顔ぶれだけを数える。この一点だけが両者の違いになる。

まず、言葉の定義をはっきりさせておきます。
順列は「AとBを選び、Aを先に置く」と「Bを先に置く」を別のものとして数えます。
組み合わせは、この2つを同じものとして1回だけ数えます。

具体例で確かめます。
4人(A・B・C・D)から2人を選ぶとします。

問題文 区別 答え
2人の代表を選ぶ しない 4C2 6通り
部長と課長を1人ずつ選ぶ する 4P2 12通り

同じ「4人から2人」でも、役職という区別が入るだけで答えが2倍になります。
AとBを選んで「Aが部長・Bが課長」と「Bが部長・Aが課長」は別の結果だからです。
問題文が役割や順番を指定しているかどうかを、最初に確認してください。

判断に使えるキーワードを一覧にしました。

順列(区別する) 組み合わせ(区別しない)
並べる、並び方、順番に 選ぶ、選び方、何通りの組
1列に、左から、番号をつけて 代表、委員、グループを作る
部長と課長、1位と2位 3人のチーム、握手する
数字を並べて整数をつくる 品物を同時に取り出す

「同時に」という言葉が出てきたら、ほぼ組み合わせです。
同時に取り出す以上、そこに順番は存在しないためです。

覚える公式はいくつ?4つで足りる

SPIの場合の数で必要な公式は、順列・組み合わせ・円順列・重複順列の4つである。これ以上を覚えても、出題頻度に見合わない。

公式を増やすほど、本番でどれを使うか迷います。
次の4つに絞って、意味とセットで覚えてください。

公式 使う場面
順列 nPr = n × (n-1) × … (r個かける) 順番を区別して並べる
組み合わせ nCr = nPr ÷ r! 順番を区別せず選ぶ
円順列 (n-1)! 円形に並べる(回転して同じものは1つと数える)
重複順列 n の r 乗 同じものを何度でも選べる

計算の具体例です。

  • 8P2 = 8 × 7 = 56
  • 8C2 = (8 × 7) ÷ (2 × 1) = 28
  • 5人が円卓に座る = (5-1)! = 24通り
  • 3種類のスタンプから4回押す(重複可) = 3の4乗 = 81通り

nCr は分母から先に約分すると速く終わります。
たとえば 10C3 は、10 × 9 × 8 を 3 × 2 × 1 で割りますが、先に 9 ÷ 3 = 3、8 ÷ 2 = 4 と処理して 10 × 3 × 4 = 120 と計算できます。
桁が増える前に約分するのが、電卓が使えない場面での基本です。
電卓の可否は方式で異なるため、「SPIで電卓は使える?」(No.203)で確認しておいてください。

なお、同じものを含む並べ方(たとえばAABBの4文字を並べる)は、4! ÷ (2! × 2!) = 6通りと計算します。
これは公式として覚えるより、「重複した分で割る」という考え方で処理するほうが応用が効きます。

頻出パターンはどう処理する?3つの型で大半が解ける

「必ず隣り合う」「少なくとも1人」「特定の人を含む・含まない」の3パターンを押さえれば、SPIの順列・組み合わせの大半は処理できる。

条件つきの問題は、条件の処理方法さえ決まっていれば難しくありません。
型ごとに手順を整理します。

パターン 処理 考え方
必ず隣り合う 隣り合う2人を1人分にまとめて数え、最後に内部の並びをかける まとめた分だけ人数が減る
少なくとも1人 全体から「1人も含まない場合」を引く 直接数えると場合分けが増える
特定の人を必ず含む その人を先に確定させ、残りから選ぶ 選ぶ人数が1人減る

【例題1】A・B・C・D・Eの5人が1列に並ぶとき、AとBが必ず隣り合う並び方は何通りか。

AとBを1組として扱うと、並べる対象は4つになります。
4つの並べ方は 4! = 24通りです。
組の内部でAB・BAの2通りがあるため、24 × 2 = 48通りが答えです。

【例題2】男子4人・女子3人の合計7人から3人を選ぶとき、少なくとも1人は女子が含まれる選び方は何通りか。

全体は 7C3 = 35通りです。
女子が1人も含まれない場合は、男子4人から3人を選ぶ 4C3 = 4通りになります。
35 – 4 = 31通りが答えです。
「少なくとも」を直接数えると女子1人・2人・3人の3通りに場合分けが必要になり、時間も計算ミスも増えます。

この余事象の使い方は、次に扱う確率でもそのまま使えます。

確率はどう求める?場合の数を出してから割る

SPIの確率は、条件に当てはまる場合の数を、全体の場合の数で割って求める。順列と組み合わせが計算できれば、確率は新しく覚えることがほとんどない。

確率の問題が難しく感じる原因は、確率そのものではなく、分子と分母の数え方が揃っていないことにあります。
分母を組み合わせで数えたなら、分子も組み合わせで数えてください。

使う法則は3つだけです。

  • 積の法則:同時に起こる、または続けて起こる場合は、確率をかける
  • 和の法則:同時には起こらない複数の場合は、確率をたす
  • 余事象:「少なくとも」「1つも〜ない」が出たら、1から引く

【例題3】赤玉3個と白玉2個が入った袋から、同時に2個取り出す。2個とも赤である確率を求めよ。

全体は 5C2 = 10通りです。
2個とも赤になるのは 3C2 = 3通りです。
したがって確率は 3/10 になります。

【例題4】同じ袋から2個取り出すとき、少なくとも1個が赤である確率を求めよ。

「少なくとも1個が赤」の反対は「2個とも白」です。
2個とも白になるのは 2C2 = 1通りなので、その確率は 1/10 です。
求める確率は 1 – 1/10 = 9/10 になります。

「同時に取り出す」とあるため、順番を区別せず組み合わせで数えている点に注目してください。
ここで順列を使うと分母も分子もずれますが、両方をそろえて順列で数えれば答えは同じになります。
大事なのは、分子と分母で同じ数え方を使うことです。

運営事務局が見てきた実例:順列と組み合わせで落とす3つの型

模擬演習の記録を見ると、この分野での失点は計算力ではなく、判断と処理の順番に集中しています。
繰り返し見られたのは次の3つです。

  • 判断を保留したまま計算を始める:順列か組み合わせかを決めずに数え始め、途中で気づいて最初からやり直す。式を書く前に「区別する/しない」を口に出して決めるだけで、やり直しがほぼ消えます
  • 「少なくとも」を直接数える:場合分けが3通り以上に増え、時間切れになる。余事象を条件反射で使えるようにしておくと、この型は1行で終わります
  • 約分せずに大きな数をかける:10 × 9 × 8 を先に720まで計算してから割るため、筆算のミスが増える。分母から先に約分する習慣で防げます

画面共有つきの演習で手元を見ていると、この分野で時間を使いすぎた回は、そのあとの推論や図表の読み取りにしわ寄せが出ていました。
場合の数は1問あたりの処理が重いため、切り上げの判断も含めて練習しておくのが安全です。

数字を並べる問題はなぜ間違えやすい?先頭の0に注意

数字のカードを並べて整数をつくる問題は、順列の応用として頻出する。0を含む場合、先頭に0を置けないという制約を見落とすと必ず答えがずれる。

この型は、公式を正しく使っても答えが合わないことがある数少ないパターンです。
原因はほぼ1つで、「整数の先頭は0にならない」という条件の処理です。

【例題5】0・1・2・3・4の5枚のカードから3枚を選んで3桁の整数をつくる。整数は何通りできるか。

単純に 5P3 = 60通りとすると誤りになります。
百の位に0を置くと3桁の整数にならないためです。
百の位は0以外の4通り、十の位は残り4枚から1通り、一の位は残り3枚から1通りとなり、4 × 4 × 3 = 48通りが答えです。

処理の順番は次のように決めておくと安全です。

  • 制約のある位(先頭、あるいは偶数・奇数の指定がある一の位)から先に決める
  • 残りの位は、使い終わったカードを引いた枚数で順に数える
  • 最後に、条件を見落としていないか問題文をもう一度読む

「偶数になる整数は何通りか」のように末尾に条件が付く場合も、考え方は同じです。
制約が強い位を先に確定させ、自由に選べる位を後回しにしてください。

SCOA・玉手箱・TG-WEBの組み合わせ問題との違いは?

組み合わせや確率は、SPI以外の形式でも出題される。ただし出題の重さと解答形式が違うため、SPIの練習をそのまま流用すると時間配分を誤る。

複数の形式を受ける人向けに、違いを整理します。

形式 出方 注意点
SPI 場合の数・確率として独立で出る 電卓の可否が受検方式で変わる
SCOA 数学の一分野として出る 出題範囲が広く、1問に時間をかけられない
玉手箱 四則逆算や図表の読み取りが中心で、組み合わせ単独は少ない 1問あたりの制限時間が非常に短い
TG-WEB(従来型) 場合の数・確率が難問として出ることがある 図を書いて整理する時間を確保する必要がある

同じ「組み合わせ」でも、SCOAは広く浅く、TG-WEBの従来型は深く少なくという性格の違いがあります。
形式ごとの全体像は「SCOA対策」(No.95)、「玉手箱の対策法」(No.54)、「TG-WEB対策の全体像」(No.70)にまとめています。
自分がどの形式を受けるのか未確定であれば、「WebテストのURL見分け方」(No.4)から先に確認してください。

時間配分と練習メニューはどうする?

場合の数と確率は、1問90秒を上限にする。公式の暗記より、判断から式を立てるまでの時間を短くする練習のほうが効果が出やすい。

練習は、解く量より手順の固定を優先します。

残り日数 進め方
3日 判別だけを練習する。問題文を読んで「順列か組み合わせか」を答えるだけを20問。計算はしない
1週間 上の判別練習に加えて、頻出3パターン(隣り合う・少なくとも・特定の人を含む)を各5問
1か月 確率まで含めて1日3問。間違えた問題は、判断・式・計算のどこで間違えたかを分類して記録する

間違いを「判断」「式」「計算」に分けて記録すると、対策の打ち手が変わります。
判断の間違いはキーワードの整理で、式の間違いはパターンの反復で、計算の間違いは約分の順番で減らせます。
非言語全体の優先順位は「SPI非言語の対策」(No.39)、この分野の頻出パターンをさらに広げたい場合は「SPI場合の数・確率・組み合わせの解き方」(No.43)を参照してください。
どの分野から手をつけるか迷う段階なら、「SPI対策の始め方」(No.32)、あるいは形式選びから整理したい場合は「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)が入口になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 順列と組み合わせ、どちらか分からないときはどうすればいいですか?

選んだ2つを入れ替えてみて、結果が変わるかどうかを考えてください。
「AさんとBさんを代表に選ぶ」は入れ替えても同じ結果なので組み合わせです。
「Aさんが部長でBさんが課長」は入れ替えると別の結果になるので順列です。
この入れ替えテストは、キーワードで判断がつかない問題文でも使えます。
迷ったまま計算を始めるのが一番の時間の無駄なので、式を書く前に必ず判断を確定させてください。

Q2. 公式を全部覚えられません。優先順位はありますか?

まず nPr と nCr の2つを確実にしてください。
この2つで大半の問題は処理できます。
円順列と重複順列は、出題されたときに気づける程度で十分です。
円順列は「円形に座る」、重複順列は「同じものを何度でも選べる」という状況の言葉で判別できます。
公式の暗記よりも、nCr = nPr ÷ r! という関係を理解しておくほうが、忘れたときに立て直せます。

Q3. 「少なくとも」の問題は必ず余事象を使うのですか?

必ずではありませんが、ほとんどの場合で余事象のほうが速く終わります。
直接数えると、条件を満たすケースを1人・2人・3人と場合分けする必要が出てくるためです。
一方、反対の事象は「1つも含まない」の1通りに収まることが多く、計算が1行で済みます。
例外は、反対の事象のほうが数えにくい場合ですが、SPIの出題ではまれです。
「少なくとも」を見たら余事象、と決めておいて問題ありません。

Q4. SPIの組み合わせ問題で電卓は使えますか?

受検方式によります。
自宅で受けるWEBテスティングでは電卓の使用が前提となる場面がある一方、テストセンターでは使用できません。
この違いを知らずにテストセンターで筆算に手間取る人が毎年います。
方式ごとの可否は「SPIで電卓は使える?」(No.203)と「Webテストで電卓は使える?」(No.13)にまとめています。
いずれの方式でも、約分してから計算する習慣は身につけておいてください。

Q5. 確率は場合の数と別に対策が必要ですか?

別立てで覚え直す必要はありません。
確率は、条件に合う場合の数を全体の場合の数で割るだけなので、数え方が身についていれば新しい負担はほとんどありません。
注意点は、分子と分母で同じ数え方(順列なら順列、組み合わせなら組み合わせ)を使うことだけです。
むしろ場合の数の練習が不十分なまま確率に進むと、両方が中途半端になります。
順序としては、場合の数を固めてから確率に進んでください。

Q6. 場合の数が苦手なら捨ててもいいですか?

すべてを捨てる判断はおすすめしません。
順列と組み合わせの基本問題は、判別さえできれば短時間で取れるため、費用対効果が高い分野です。
一方、条件が3つ以上重なる複雑な問題については、本番で90秒を超えたら切り上げるという運用で構いません。
捨てるかどうかは分野単位ではなく、その場の1問単位で判断してください。
基本の判別と3パターンだけを準備しておけば、切り上げても大きくは崩れません。

まとめ

SPIの順列・組み合わせは、判断が決まれば計算は機械的に終わります。
要点を整理します。

  • 順列と組み合わせの違いは、順番を区別するかどうかの一点のみ
  • 迷ったら、選んだ2つを入れ替えて結果が変わるかを確認する
  • 覚える公式は順列・組み合わせ・円順列・重複順列の4つで足りる
  • 「必ず隣り合う」はまとめる、「少なくとも」は余事象、「必ず含む」は先に確定させる
  • 確率は場合の数を割るだけ。分子と分母で数え方をそろえる
  • 分母から先に約分し、大きな数をかける前に処理する

まずは計算を一切せず、問題文を読んで順列か組み合わせかを答えるだけの練習を20問こなしてみてください。
判断が速くなるだけで、この分野の体感難易度は大きく下がります。
受検日までの日数が少なく、どの分野を優先すべきか判断がつかない場合は、テストビズのような個別対策の場で優先順位を決めるのも選択肢の一つです。

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