この記事でわかること
- SPIの長文読解で出る設問は「抜き出し」「空欄補充」「趣旨・内容合致」「複数選択」の4系統であること
- 設問を先に読んでから本文に入る、段落マッピングという解き方の手順
- 抜き出し問題とは何か、字数指定(2文字・5文字・指定なし)で難易度がどう変わるか
- 「長文が出ない」「抜き出しなし」は本当に低得点のサインなのか、どこまでが推測か
- 受検方式別の長文の量と、1問にかけてよい時間の目安
- 長文読解が苦手な人が、受検日までにやるべき練習の順番
執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)
2021年開業の学習支援チームが運営するWebテスト対策サービスです。運営チーム累計6,000件超の学習相談実績(レポート等の支援を含む)をもとに、SPI・玉手箱・TG-WEB・GAB/CAB・SCOA・CUBIC等の個別対策と模擬演習を提供しています。本記事は、匿名化した相談事例と模擬演習の記録をもとにまとめました。
SPIの長文読解は、言語のなかでもっとも時間を持っていかれる設問です。
一方で、読み方の手順を決めておけば、初見の文章でも安定して得点できます。
この記事では解き方の手順に加えて、受検後に多くの人が気にする「長文が出なかった」「抜き出しがなかった」という話をどう受け止めるべきかまで整理します。
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SPIの長文読解とは?1つの文章に3〜4問がぶら下がる形式
SPIの長文読解とは、数百字程度の文章を読み、そこにぶら下がる複数の設問に答える形式である。設問は抜き出し・空欄補充・趣旨や内容の合致・複数選択の4系統に分かれる。
長文読解は、1つの文章に対して3〜4問がまとめて出るのが一般的な形です。
画面上部に本文、下部に設問が表示され、設問ごとに切り替えながら解いていきます。
まず、どんな聞かれ方をするのかを把握しておきましょう。
| 設問の系統 | 聞かれ方 | 探す場所 | 体感の重さ |
|---|---|---|---|
| 抜き出し | 空欄に入る語句を本文中から抜き出す | 空欄と同じ話題を扱った1文 | 軽い |
| 空欄補充 | 本文中の空欄に入る接続語や文を選ぶ | 空欄の前後2文 | 軽い |
| 趣旨・内容合致 | 筆者の主張として適切なものはどれか | 段落の冒頭と末尾 | 重い |
| 複数選択(チェックボックス) | 当てはまるものをすべて選べ | 本文全体 | 最も重い |
SPIを提供するリクルートマネジメントソリューションズは、就職準備応援サイトで、言語分野は言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力を測る問題だと説明しています。
長文読解は、このうち「話の要旨を捉える力」を直接測る設問だと考えると、対策の方向が定まります。
細部の読み込みよりも、段落ごとに何が書いてあるかを掴む練習のほうが効きます。
なお、同じ言語でも文の並び替えや語句問題とは求められる力が違います。
知識で解ける分野は「SPI二語の関係の解き方」(No.258)や「SPI語句の用法・語句の意味の解き方」(No.259)、手順で解ける分野は「SPI文の並び替え・空欄補充の解き方」(No.261)にまとめています。
長文読解はどの方式で出る?量と設問数が変わる
長文読解はSPIの全方式で出題される。ただし文章量と設問数は方式で異なり、テストセンターでは受検者の解答状況によって出方が変わる。
「自宅受検だから長文は出ない」と考えている人が一定数いますが、これは誤りです。
方式によって重さが違うだけで、出題自体はどの方式にもあります。
| 受検方式 | 長文の扱い | 特徴 |
|---|---|---|
| テストセンター | 出題される | 解答状況で設問の難度や形式が変わる。複数選択が出ることもある |
| WEBテスティング(自宅) | 出題される | 文章は比較的短めで、抜き出し・空欄補充との組み合わせが多い |
| ペーパーテスティング | 出題される | 文章量が多く、1つの文章に対する設問数も多くなりやすい |
| インハウスCBT | 出題される | 企業内での受検。出題傾向はテストセンターに近い |
テストセンターは、解答状況に応じて次に出る設問が変わる仕組みです。
そのため、同じ企業を同じ日に受けた人どうしでも、見た設問が違うということが普通に起こります。
この性質が、後述する「長文が出ない=低得点なのか」という不安の原因にもなっています。
自分がどの方式を受けるかは、案内メールのURLやログイン画面から判別できます。
判別の手順は「WebテストのURL見分け方」(No.4)にまとめました。
方式が分かれば、長文にどれだけ時間を割くかを事前に決められます。
長文読解の解き方は?設問を先に読み、段落に目印をつける
長文読解は、本文を読んでから設問に進むと必ず読み直しが発生する。設問を先に読み、探す対象を決めてから本文に入るのが最短の解き方である。
長文読解が遅い人のほとんどは、読解力ではなく手順で損をしています。
次の5ステップを固定してください。
- 設問文だけを先に読み、何を探すのか(語句・主張・因果関係)を確認する
- 本文を段落単位で読み、各段落が「話題の提示」「具体例」「反論」「結論」のどれかを頭の中でラベル付けする
- 設問に戻り、ラベルを手がかりに該当段落だけを読み直す
- 選択肢は、本文に書かれていない語が混ざっているものから消す
- 迷ったら、本文の言い換えになっている選択肢を選ぶ(言い過ぎている選択肢は外す)
選択肢を消すときの基準も決めておくと速くなります。
| 選択肢の特徴 | 判断 |
|---|---|
| 「必ず」「すべて」「〜しかない」など言い切りが強い | 本文が言い切っていなければ外す |
| 本文にない具体例や数値が入っている | 外す |
| 本文の表現を別の言葉で言い換えている | 残す |
| 内容は正しいが、設問が聞いていることとずれている | 外す |
とくに4つ目の「内容は正しいが設問とずれている」は、引っかかりやすいパターンです。
正しいかどうかではなく、聞かれたことに答えているかで判断してください。
抜き出し問題とは?字数指定の有無で難易度が変わる
SPIの抜き出し問題とは、本文中の空欄に入る語句を、本文からそのまま抜き出して答える設問である。「2文字」「5文字」といった字数指定があるほど答えは絞りやすく、指定がないほど難しくなる。
抜き出し問題は、Webテストの言語のなかでは珍しい記述形式です。
選択肢から選ぶのではなく、本文中の語句をそのまま入力または選択して答えます。
答えは必ず本文の中にあるため、探し方さえ分かれば確実に取れる設問です。
| 字数の指定 | 難易度 | 対応 |
|---|---|---|
| 2文字・3文字など具体的な指定 | 低い | 指定字数に合う語だけを本文から拾う |
| 5文字以内、10文字程度などの範囲指定 | 中 | 空欄の前後と同じ話題の段落に絞って探す |
| 字数指定なし | 高い | 空欄に入れて文が成立する最小の単位を選ぶ |
解く手順はシンプルです。
- 最初に字数の条件を確認する(ここを読み飛ばすと大きく時間を失います)
- 空欄を含む文が、どの段落の話題を受けているかを確認する
- その段落の中から、字数条件に合う語句を拾う
- 実際に空欄に入れて読み、助詞や述語がつながるかを確かめる
【例題】次の文章を読み、空欄に入る語句を本文中から4文字で抜き出しなさい。
都市の緑地は、景観をよくするためだけに置かれているわけではない。
夏場の路面温度を下げ、大雨のときには雨水を一時的にためる。
こうした働きは、機械に頼らずに都市の環境を整える調節装置と呼べるものだ。
つまり緑地は、都市の[ ]としての機能を担っているのである。
答えは「調節装置」です。
空欄を含む文は直前の文を受けてまとめ直しているため、探す範囲は直前の1文に絞れます。
ここで「気温調整」「環境保全」のように自分の言葉で言い換えると、本文の語ではなくなるため不正解になります。
抜き出しは「考える設問」ではなく「見つける設問」だと割り切ってください。
複数選択(チェックボックス)はどう解く?
複数選択とは、当てはまるものをすべて選ぶ形式である。1つでも取りこぼすと不正解になるため、選択肢ごとに本文の該当箇所を確認してから決める。
チェックボックス形式は、テストセンターで出ることがある重い設問です。
部分点が想定しづらい形式のため、勘で埋めると得点につながりにくくなります。
- 選択肢を1つずつ本文と照合し、根拠となる文が見つかったものだけを選ぶ
- 根拠が見つからない選択肢は、内容が正しそうでも選ばない
- 「本文に書かれているか」と「一般論として正しいか」を混同しない
この形式が出たときは、時間がかかることを前提に配分を切り替えてください。
なお、複数選択が出たかどうかを高得点のサインとして語る情報も多く見かけますが、そこには注意が必要です。
詳しくは次の見出しで扱います。
「長文が出ない」「抜き出しなし」は低得点のサイン?
長文や抜き出しが出なかったことを、提供元が得点の指標として説明したことはない。受検者の体験談から広まった推測であり、断定的に受け止めるべきではない。
受検後の相談でもっとも多いのが、この不安です。
インターネット上には「長文なしは正答率5割程度」「抜き出しが出れば高得点」といった記述が数多くあります。
これらは受検者の報告を集めた推測であり、リクルートマネジメントソリューションズが出題の仕組みと得点の対応を公表しているわけではありません。
整理すると、確度は次のように分かれます。
| 内容 | 確度 |
|---|---|
| テストセンターは解答状況に応じて出題が変わる | 仕組みとして広く知られている |
| 正答が続くと難しい設問が出やすくなる | 仕組みから考えて説明はつく |
| 長文が出ない=正答率5割 | 受検者の体験談ベースの推測 |
| 抜き出しの字数指定なし=高得点 | 同上 |
言えるのは、出題の傾向から得点を推測することはできても、確定はできないということです。
指標の話をどう扱うかは「SPIの指標(7段階)とは?」(No.48)や「Webテストの高得点指標とは?」(No.337)で別途整理しています。
運営事務局が見てきた実例:受検後の「振り返り疲れ」
受検後にいただく相談で目立つのは、点数そのものよりも、出題内容を思い出して判定しようとして消耗しているケースです。
- 数日かけて掲示板と自分の出題を照合し、次の企業のエントリーが遅れた:結果は変えられないため、時間の使い道としては効率が悪くなります
- 「長文が出なかった」と落ち込んだ人が、同じ企業の選考を通過していた:企業ごとに見る基準が違うため、出題内容だけでは判断できません
- 逆に「複数選択が出た」と安心して次の受検の対策をやめ、別形式で苦戦した:形式が変われば必要な準備も変わります
模擬演習でも、指標を気にしている受検者ほど本番中に「今の出題は何を意味するのか」を考えてしまい、解答のペースが落ちる傾向がありました。
受検中は指標を考えないと決めておくほうが、結果として得点は安定します。
時間配分はどうする?1問90秒、長文全体で4分が上限
長文読解は、本文を読む時間を含めて全体で4分を上限に設定するとよい。1問に90秒以上かけると、後続の設問に届かなくなる。
言語は1問あたりに使える時間が短く、長文だけに時間を投じると全体が崩れます。
目安は次のとおりです。
| 作業 | 目安時間 | 崩れたときの対応 |
|---|---|---|
| 設問の先読み | 15秒 | 省略しない。ここを省くと読み直しが増える |
| 本文の通読 | 60〜90秒 | 分からない語は飛ばす。段落のラベル付けを優先 |
| 抜き出し・空欄補充 | 各30〜45秒 | 字数条件に合う語がなければ、別の段落へ移る |
| 趣旨・内容合致 | 各60〜90秒 | 2択で止まったら、言い切りが強いほうを外して決める |
| 複数選択 | 90〜120秒 | 根拠が確認できたものだけ選び、残りは切る |
時間配分の全体像は「SPI言語の対策」(No.40)、テストセンター特有の進み方は「SPIテストセンターの対策」(No.144)を合わせて確認してください。
受検日までの練習メニューは?
長文読解は、量をこなすより手順を固定するほうが早く伸びる。同じ手順で10問解き、間違えた設問だけを本文と照合し直すのが基本の練習法である。
残り日数に応じた進め方を挙げます。
- 残り3日:長文を5題、設問先読み→段落ラベル→該当段落だけ読み直し、の手順で解く。時間は計らず、手順どおりに進められたかだけを確認する
- 残り1週間:1題4分で時間を計る。解き終えた後に、選択肢を消した理由を1つずつ言葉にして確認する
- 残り1か月:週2題の維持で十分。空いた時間は語彙分野や非言語の推論に回すほうが総得点は伸びます
読む素材は問題集で構いませんが、新聞の社説やコラムでも代用できます。
1段落ごとに「話題・具体例・反論・結論」のどれかを言い当てる練習は、素材を選びません。
出題範囲全体からの優先順位は「SPI対策の始め方」(No.32)、形式がまだ確定していない段階なら「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)を先に確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. SPIの抜き出し問題とはどんな問題ですか?
長文読解の中で出る小問で、本文中の空欄に入る語句を、本文からそのまま抜き出して答える形式です。
選択肢から選ぶのではなく、本文の表現をそのまま使う点が特徴になります。
「2文字で抜き出しなさい」「5文字以内で抜き出しなさい」のように字数が指定されることが多く、指定がある場合は候補が大きく絞れます。
答えは必ず本文の中にあるため、自分の言葉で要約しないことが最大のコツです。
空欄を含む文がどの段落を受けているかを確認し、その段落の中だけを探すと短時間で見つかります。
Q2. テストセンターで長文が出ませんでした。落ちますか?
出題内容だけで合否を判断することはできません。
テストセンターは解答状況に応じて出題が変わる仕組みのため、出た設問の種類から得点を推測する話は広く出回っていますが、提供元が指標として公表しているものではありません。
また、企業が見る基準は業界や職種で異なり、能力検査の比重が高くない企業もあります。
実際に、長文が出なかったと相談された方が同じ企業の選考を通過した例もあります。
振り返りに時間を使うより、次の受検に向けた準備に切り替えるほうが現実的です。
Q3. 抜き出しがなかったのは正答率が低いからですか?
そう説明する情報は多いのですが、根拠は受検者の体験談の集積です。
仕組み上、正答が続けば難度の高い設問に進みやすいという説明はつきますが、「抜き出しがない=何割」という対応関係が公表されているわけではありません。
体験談は母数も条件もばらばらで、同じ出題でも結果が違う例が複数あります。
参考程度にとどめ、次の受検の準備材料として使うのが適切です。
Q4. 長文は何文字くらいで、何問ぶら下がりますか?
方式や出題によって変わりますが、数百字程度の文章に3〜4問が付く形が一般的です。
ペーパーテスティングでは文章量が多くなりやすく、WEBテスティングでは比較的短めの文章が使われる傾向があります。
ただし、これらは公表された仕様ではなく受検報告からの傾向のため、固定の数値としては扱わないでください(要確認)。
どの方式でも、設問を先に読んでから本文に入る手順は共通して使えます。
Q5. 本文を全部読むべきですか?
一度は通して読んでください。
ただし、細部を覚えようとする必要はなく、段落ごとに何の話をしているかをラベル付けする読み方で十分です。
設問に戻ったとき、該当する段落だけを読み直せる状態になっていれば、通読の目的は果たせています。
逆に、設問を見ずに精読すると、必要のない箇所まで読み込んで時間を失います。
読む深さは、設問が決めるものだと考えてください。
Q6. Webテストの抜き出し問題は他の形式でも出ますか?
SPI以外でも、文章中から語句を抜き出させる設問は出ることがあります。
ただし、玉手箱やTG-WEBの言語は「趣旨判定」「論理的読解」のように、選択肢の判定を求める形式が中心です。
形式ごとに求められる読み方が違うため、SPIの抜き出しの練習をそのまま流用すると、玉手箱では通用しない場面が出てきます。
複数形式を受ける予定がある場合は、形式ごとに設問の型を確認しておくと安心です。
Q7. 長文読解が苦手でも言語の得点は伸びますか?
伸びます。
言語は複数の設問形式で構成されているため、長文の苦手が全体を決めることはありません。
まずは語句や並び替えのように短時間で処理できる設問を固め、そのうえで長文に使える時間を確保するのが順序として有効です。
そのうえで長文は、正答率よりも「4分で切り上げられたか」を基準に練習してください。
時間内に処理できるようになると、正答率は後からついてきます。
まとめ
SPIの長文読解は、読解力よりも手順で差がつく設問です。
要点を整理します。
- 設問は抜き出し・空欄補充・趣旨や内容合致・複数選択の4系統
- 設問を先に読み、段落にラベルを付けてから該当箇所だけを読み直す
- 抜き出しは「見つける設問」。最初に字数条件を確認し、自分の言葉で要約しない
- 複数選択は根拠が確認できたものだけを選ぶ
- 「長文が出ない」「抜き出しなし」は体験談ベースの推測で、断定できる話ではない
- 本文の通読を含めて4分を上限に切り上げる
受検後に出題内容を思い返して判定しようとするより、次の受検までに手順を固めるほうが結果は変わります。
残り日数が少なく、どの形式にどれだけ時間を割くべきか迷う場合は、テストビズのような個別対策で優先順位を決めてしまうのも選択肢の一つです。
長文読解は、読む力を上げる前に、読み方を決めるところから始めてください。
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