この記事でわかること
- 論理的読解(GAB形式)のA・B・Cが、それぞれどんな設問文に対応するのか
- BとCで迷ったときに、3秒で決めるための判断基準
- Cになる設問文の5類型(言及なし・程度の具体化・因果の追加・一般常識・推測)
- 一般常識で判断してはいけない理由と、実際の失点例
- 例題1長文4問を、判定の理由つきで最後まで追う
- 1長文にかけられる時間の目安と、時間内に終わらせる読み方
執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)
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玉手箱の論理的読解が難しいと感じる原因は、文章の難易度ではありません。
BとCの線引きが曖昧なまま解いていることと、無意識に自分の知識を使ってしまうことです。
この記事では判定の基準を型として示し、例題4問を最後まで追いながら確認します。
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玉手箱の論理的読解とは?A・B・Cで判定する形式
論理的読解(GAB形式)とは、長文を読み、続く設問文が本文から論理的に正しいか、間違っているか、判断できないかをA・B・Cで答える形式である。
選択肢はあらかじめ固定されており、設問ごとに変わりません。
| 選択肢 | 意味 |
|---|---|
| A | 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい |
| B | 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている |
| C | 本文の内容だけでは、正しいか間違っているかを判断できない |
出題の構成は、1つの長文に対して4問がセットになった形です。
玉手箱の言語では、GAB形式の言語(論理的読解)として8長文32問を15分で解く構成が一般的に知られています。
1長文あたり2分弱、1問あたり30秒に満たない計算になります。
同じ形式は、GABやC-GABの言語でも出題されます。
GAB側の対策は「GABの言語対策」(No.86)、C-GAB全体の受け方は「C-GAB対策」(No.90)にまとめています。
玉手箱の言語にはもう1つ、趣旨判定(IMAGES形式)という別形式があり、こちらは選択肢の意味がまったく異なります。
両者の違いは「玉手箱の言語対策」(No.63)で整理しています。
AとBとCはどう判定する?判断の順序を固定する
判定は、設問文の内容を評価する作業ではない。本文に根拠があるかを探し、あれば一致か矛盾かを見る、という順序で処理する。
多くの人は、設問文を読んで「正しそうか」を考えてしまいます。
そうすると自分の知識が混ざり、Cを選べなくなります。
次の順序に固定してください。
- 設問文の主語と述語を確認する(何について、何と言っているか)
- 本文の中に、その話題を扱っている箇所があるかを探す
- 該当箇所がなければ、その時点でC(内容を吟味しない)
- 該当箇所があれば、設問文と照らして一致ならA、矛盾ならB
重要なのは3番目です。
本文に該当箇所がない時点で判定は終わりであり、設問文が常識的に正しいかどうかは考えません。
本文が一般常識と異なる主張をしていても、その本文の論理に沿っていればAになります。
| 状況 | 判定 |
|---|---|
| 本文に根拠があり、内容も一致する | A |
| 本文に根拠があるが、内容が反対 | B |
| 本文が「〜とは言えない」としているのに、設問文が断定している | B |
| 本文にその話題自体が出てこない | C |
| 本文が範囲を限定していない事柄について、設問文が全体を断定している | C |
BとCの違いは?根拠の有無で切り分ける
Bは「本文と食い違っている」、Cは「本文が何も言っていない」である。矛盾しているかどうかを判断できる材料が本文にあるかが分かれ目になる。
BとCの迷いは、この形式でもっとも多い相談です。
判断を早くするために、Cになりやすい設問文を型で覚えてください。
| Cの類型 | 設問文の例 |
|---|---|
| 本文が触れていない話題 | 本文が制度の話だけをしているのに、費用について述べている |
| 程度や数量を具体化している | 本文は「多い」としか書いていないのに、「70%を超える」としている |
| 因果関係を足している | 本文は2つの事実を並べているだけなのに、「AだからB」としている |
| 一般常識としては正しい | 本文に根拠がなく、世間的に正しいだけの内容 |
| 将来の予測・筆者の推測 | 本文にない今後の見通しを述べている |
一方、Bになるのは次のような場合です。
- 本文の記述と反対の内容になっている
- 本文が否定している事柄を、設問文が肯定している
- 本文が範囲を限定しているのに、設問文がその範囲を超えて断定している
3つ目は判断が分かれやすい部分です。
本文が「一部の企業では」と限定しているのに設問文が「すべての企業で」としていれば、本文と食い違うためBになります。
一方、本文が範囲について何も述べていない場合は、材料がないためCです。
限定の記述があるかどうかを、本文で確認してから決めてください。
例題:1長文4問を最後まで判定する
次の文章を読み、各設問文がA・B・Cのどれに当たるかを考えてください。
【本文】
在宅勤務の導入が広がった当初、生産性は下がるという予測が多かった。しかし、国内のある調査では、通勤時間が減ったことで一日の作業時間そのものはむしろ増えたと報告されている。ただし、作業時間の増加が成果の増加に直結したかどうかは、この調査からは明らかになっていない。また、在宅勤務を続けた社員のなかには、同僚との偶発的な会話が減り、新しい企画が生まれにくくなったと感じる人もいる。企業に求められているのは、在宅と出社のどちらが優れているかを決めることではなく、業務の性質に応じて使い分ける仕組みを整えることである。
【設問1】在宅勤務が広がり始めた頃には、生産性が下がるという見方が多かった。
判定はAです。
本文の1文目に「生産性は下がるという予測が多かった」とあり、設問文はこれと一致します。
表現は違いますが、内容が同じであればAで構いません。
【設問2】この調査により、在宅勤務によって成果が増加したことが確認された。
判定はBです。
本文は、作業時間の増加が成果に直結したかは「明らかになっていない」と述べています。
確認されたという設問文は、この記述と食い違います。
本文が明確に否定している事柄を肯定しているため、判断できないのではなく、間違いです。
【設問3】在宅勤務を導入している企業の割合は、業種によって異なる。
判定はCです。
業種別の導入率について、本文はまったく触れていません。
実際にはそのとおりだと考えられますが、本文に根拠がない以上、判定はCになります。
この設問は、一般常識を持ち込むとAを選んでしまう典型例です。
【設問4】筆者は、在宅と出社を業務の性質に応じて使い分ける仕組みが必要だと考えている。
判定はAです。
本文の最終文が、そのまま筆者の主張として書かれています。
設問文が筆者の考えに言及していても、本文に記述があればAで問題ありません。
言い換えとズラしはどう見抜く?危険な言葉を覚える
設問文は、本文の表現をそのまま使わずに言い換えて出される。意味が同じ言い換えならA、程度や範囲をずらした言い換えならBかCになる。
判定を誤らせるのは、たいてい設問文に紛れ込んだ1語です。
次の言葉が出てきたら、本文に同じ強さの記述があるかを必ず確認してください。
| 危険な言葉 | 確認すること |
|---|---|
| すべて、常に、必ず | 本文が例外なしと述べているか。限定があればB、記述がなければC |
| 唯一、最大の、最も | 本文が他と比較して順位づけしているか |
| 主な原因、〜だから | 本文が因果として述べているか。並列なだけならC |
| 初めて、今後は | 本文に時期や見通しの記述があるか |
| 決して〜ない | 本文が全面的に否定しているか |
先ほどの本文で、追加の設問を2つ見てみます。
【設問5】同僚との偶発的な会話が減ることが、新しい企画が生まれにくくなる唯一の原因である。
判定はCです。
本文には「会話が減り、新しい企画が生まれにくくなったと感じる人もいる」とありますが、それが唯一の原因かどうかについては何も述べていません。
本文が触れていない以上、内容の妥当性を考える必要はありません。
【設問6】筆者は、在宅勤務よりも出社のほうが優れていると述べている。
判定はBです。
本文は、どちらが優れているかを決めることではないと明確に述べています。
筆者の主張と食い違うため、判断できないのではなく間違いです。
同じ本文でも、設問文に入る1語で判定が変わります。
本文を読む速さより、設問文を正確に読む精度のほうが正答率に効きます。
運営事務局が見てきた実例:論理的読解で落とす3パターン
模擬演習の記録では、この形式の失点は読解力ではなく判断の癖に起因していました。
- 知識のある分野で正答率が下がる:自分が詳しいテーマほど、本文にない前提を補ってしまいAを選ぶ。設問3のような問題で顕著に出ます
- Cを選ぶことに抵抗がある:「判断できない」を選ぶのは逃げだと感じ、無理に根拠を探して時間を使う。Cは正解の3分の1程度を占める通常の選択肢です
- 設問文を先に読み込みすぎる:4問すべてを先に頭に入れてから本文に入り、内容が混ざる。設問は1問ずつ処理するほうが正確です
とくに1つ目は、専攻分野や志望業界に関する長文で起こりやすい傾向がありました。
知っているテーマほど、本文に書いてあるかどうかを一度確認する動作が必要になります。
時間内に終わらせるには?読み方の順序を決める
1長文2分弱という時間では、精読はできない。段落ごとに何の話かを掴む読み方に切り替え、設問ごとに該当箇所へ戻るのが前提になる。
進め方は次のとおりです。
| 手順 | 時間の目安 |
|---|---|
| 本文を通読し、段落ごとの話題を把握する | 50〜60秒 |
| 設問1問目を読み、該当段落に戻って判定する | 各20秒 |
| 判定できない場合はCを選んで次へ進む | — |
戻り読みを前提にすると、通読の負担が下がります。
本文を完全に理解しようとせず、「1段落目は予測の話、2段落目は調査結果、3段落目は課題」といった地図を作ることを目標にしてください。
玉手箱は原則として前の設問に戻れない形式のため、迷った問題も必ず何か選んでから進みます。
時間配分の全体像は「玉手箱の時間配分と所要時間」(No.66)、通過ラインの考え方は「玉手箱のボーダーは何割?」(No.67)にまとめています。
そもそも受検形式が玉手箱かどうか未確定であれば、「WebテストのURL見分け方」(No.4)から確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. BとCの違いが最後まで分かりません。
「本文が何か言っているか」で切り分けてください。
本文にその話題の記述があり、設問文がそれと食い違っていればBです。
本文にその話題自体が出てこなければ、内容を吟味せずCになります。
迷ったときは、設問文の根拠になりそうな一文を本文から指させるかどうかを確認してください。
指させないならC、指させて内容が反対ならBです。
Q2. 一般常識として明らかに正しい設問文でも、Cになるのですか?
なります。
この形式で問われているのは、設問文が事実として正しいかではなく、本文から論理的に導けるかどうかです。
本文に根拠がなければ、世間的にどれだけ正しくてもCになります。
逆に、本文が一般常識と異なる主張をしていても、設問文がその主張に沿っていればAです。
自分の知識をいったん脇に置くことが、この形式では前提になります。
Q3. Cを選びすぎている気がします。目安はありますか?
正解の分布は問題によって異なるため、比率で調整するのは危険です。
ただし、判定に迷ったときは、本文の該当箇所を指させるかどうかで機械的に決めてください。
「なんとなくCが多い気がする」という理由でAやBに寄せると、判断基準が崩れます。
基準どおりに判定した結果Cが続くのであれば、それは問題側の構成によるものです。
比率ではなく手順を信頼してください。
Q4. 論理的読解と趣旨判定は何が違いますか?
選択肢の意味がまったく違います。
論理的読解(GAB形式)は、設問文が本文から論理的に正しいか・間違っているか・判断できないかを問います。
趣旨判定(IMAGES形式)は、設問文が筆者の一番訴えたいことか・本文にはあるが趣旨ではないか・本文と関係ないかを問います。
同じA・B・Cでも判断する対象が違うため、混同すると正答率が大きく下がります。
どちらの形式が出るかは企業によって変わるため、両方の判定基準を確認しておいてください。
Q5. 文章が難しくて内容が理解できません。
内容の理解度と正答率は、この形式では必ずしも一致しません。
判定に必要なのは、設問文に対応する記述が本文のどこにあるかを見つけることだけです。
専門的な用語が出てきても、その意味が分からないまま該当箇所を照合すれば判定できる設問が多くあります。
分からない語で立ち止まらず、段落ごとの話題を掴む読み方に切り替えてください。
理解ではなく照合が作業の中心だと考えると、負担が下がります。
Q6. 英語でも同じ形式が出ますか?
GAB形式の英語として、同じA・B・Cの判定形式が出題されます。
判定の基準は日本語版と同じで、本文に根拠があるかどうかで決めます。
違いは、本文と設問文の照合に語彙力が必要になる点です。
英語の対策は「玉手箱の英語対策」(No.64)、GAB・C-GABの英語は「GAB・C-GABの英語対策」(No.88)にまとめています。
日本語で判定の型を固めてから英語に進むほうが、効率よく進みます。
まとめ
論理的読解は、読解力より判定手順の形式です。
- A・B・Cは、設問文の正しさではなく、本文に根拠があるかで決まる
- 本文に該当箇所がなければ、内容を吟味せずC
- Bは本文と食い違う場合。Cは本文が何も言っていない場合
- Cの類型は、言及なし・程度の具体化・因果の追加・一般常識・推測の5つ
- 自分の知識が使えるテーマほど、根拠の確認を意識する
- 1長文2分弱。通読で地図を作り、設問ごとに戻って照合する
まずは、Cの5類型を頭に入れた状態で1長文4問を解いてみてください。
判定の迷いが減るだけで、同じ時間で解ける長文の数が変わります。
複数形式を並行して準備していて優先順位に迷う場合は、テストビズのような個別対策の場で切り分けるのも選択肢の一つです。
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