玉手箱の増加率・前年比の解き方|公式と電卓の使い方

この記事でわかること

  • 玉手箱の増加率は「(後の値 ÷ 前の値 – 1)× 100」の1本で処理できること
  • 前年比120%と20%増、1.2倍が同じ意味だと即座に変換する方法
  • 増加率が問われる玉手箱の計数3形式と、1問にかけられる時間の目安
  • 選択肢を先に見て概算で2つに絞る、計算量を減らす手順
  • 割合の比較を、分数を計算せずに済ませる考え方
  • 電卓のメモリー機能を使った打ち方と、C-GABでの扱いの違い

執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)

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玉手箱の計数で時間が足りなくなる原因の大半は、計算が遅いことではありません。
増加率や前年比の意味をその場で考え直していることと、必要のない桁まで計算していることです。
この記事では、公式を1本に絞り、計算量そのものを減らす手順を扱います。

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玉手箱の増加率の公式は?1本だけ覚えれば足りる

増加率は「(後の値 ÷ 前の値 – 1)× 100」で求められる。減少率も同じ式で計算でき、答えがマイナスになるだけである。

増加率と減少率を別々の公式で覚えている人がいますが、その必要はありません。
1つの式で両方を処理できます。

【例題1】ある企業の研究費支出額が、前年の250億円から今年は320億円になった。対前年増加率はおよそ何%か。

320 ÷ 250 = 1.28 です。
そこから1を引いて0.28、100をかけて28%が答えになります。

【例題2】ある店舗の来店者数が480人から408人に減った。減少率は何%か。

408 ÷ 480 = 0.85 です。
1を引くと -0.15 となり、15%の減少と分かります。

「増加分 ÷ もとの数」で計算しても同じ結果になりますが、引き算を先に行う分、手順が1つ増えます。
電卓を使う場面では、割ってから1を引くほうが打鍵数が少なく済みます。

求めるもの 補足
増加率・減少率 (後 ÷ 前 – 1)× 100 マイナスなら減少
割合 部分 ÷ 全体 × 100 分母がどれかを必ず確認
増加後の値 前 ×(1 + 増加率) -23%なら × 0.77
平均 合計 ÷ 個数 単位のそろえ忘れに注意

覚える公式はこの4つで足ります。
玉手箱の計数は計算そのものが難しいわけではなく、中学までの内容で処理できます。

前年比と増加率は何が違う?120%と20%増の変換

前年比120%と20%増と1.2倍は、すべて同じ状態を指す。この変換を一瞬でできるかどうかが、玉手箱の計数の速さを決める。

設問と選択肢で表現が入れ替わることが多く、ここでの読み違いが失点に直結します。
対応表を頭に入れてください。

表現 倍率 増加率
前年比120% 1.2倍 +20%
前年比100% 1.0倍 増減なし
前年比80% 0.8倍 -20%
前年比250% 2.5倍 +150%
2倍になった 2.0倍 +100%

とくに注意したいのが、前年比250%を「150%増」と読み替える部分です。
倍率から1を引いた分が増加率になるという関係を、その場で考えずに出せるようにしておいてください。

もう1つ間違いが多いのが、増加率の重ね方です。
20%増が2年続いた場合、合計は40%増ではありません。
1.2 × 1.2 = 1.44 なので、44%増になります。
増加率は足し算ではなく、掛け算で重なるという点を押さえておいてください。

また、「対前年比」と「対前々年比」のように基準となる年が変わる設問もあります。
何を分母にするのかを、計算前に必ず確認してください。

増加率はどの設問で問われる?玉手箱の計数3形式

増加率は、図表の読み取りと表の空欄の推測で頻出する。四則逆算でも割合の形で出るため、計数のどの形式でも必要になる。

玉手箱の計数は、企業によって出題形式が異なります。
一般に知られている構成は次のとおりです。

形式 問題数と時間の目安 増加率の出方
四則逆算 50問/9分 割合や比の形で式に組み込まれる
図表の読み取り 29問/15分 対前年増加率、構成比の比較として頻出
表の空欄の推測 20問/20分 増加率の規則性から欠けた数値を推測する

一部の企業では、図表の読み取りや表の空欄の推測について、35問/35分という難度の高いバージョンが課される場合があります。
どの形式が出るかは受検するまで確定しないため、形式ごとの時間感覚を持っておくのが安全です。
図表の読み取りそのものの解き方は「玉手箱の図表の読み取り」(No.61)、計数全体の進め方は「玉手箱の対策法」(No.54)にまとめています。

なお、同じ日本エス・エイチ・エル社の検査であるGABでも、増加率や割合の計算はそのまま出ます。
GABの計数については「GABの計数対策」(No.87)を参照してください。

増加率を速く解くには?選択肢を先に見て概算で絞る

図表の読み取りは、正確に計算する問題ではなく、選択肢を選ぶ問題である。最初から正確な値を出そうとすると、時間内には終わらない。

1問あたり30〜60秒という時間で、桁数の多い割り算を正確に行うのは現実的ではありません。
次の手順に切り替えてください。

  1. 設問文を先に読み、図表のどの数値が必要かを決める(図表全体は読まない)
  2. 選択肢を見て、値がどのくらい離れているかを確認する
  3. 有効数字2桁に丸めて概算する
  4. 概算で1つに決まればそれで解答、2つ残ったときだけ正確に計算する

選択肢の間隔が広い設問では、概算だけで答えが確定します。
たとえば選択肢が「12%、28%、45%、60%」のように離れていれば、320 ÷ 250 をきっちり計算する必要はありません。
250の1.3倍が325なので、28%前後だと分かった時点で解答できます。

選択肢の間隔 対応
大きく離れている(2倍以上の差) 概算のみで決める
近い(数%の差) 概算で2つに絞ってから正確に計算
極端に近い 単位や基準年の読み違いを疑う

3つ目は見落とされがちですが、選択肢が不自然に近い設問は、計算力ではなく設問の読み取りを試している場合があります。
分母が「全体」なのか「特定の項目」なのかを確認し直すと、迷いが消えることがあります。

割合や分数の比較はどう処理する?すべて計算しない

「割合が最も大きい年はどれか」という設問は、すべての年を計算する必要がない。明らかに小さいものを目視で落としてから、残りだけを比べる。

分数の比較でつまずく人は、選択肢の数だけ割り算をしています。
実際には、次の考え方で計算量を半分以下にできます。

  • 分子が小さく、分母が大きい年は、比べるまでもなく割合が小さい
  • 分子がほぼ同じなら、分母が小さいほうが割合は大きい
  • 分母がほぼ同じなら、分子が大きいほうが割合は大きい
  • 上の3つで決まらない2つだけを、実際に割って比べる

【例題3】A年は部分38・全体152、B年は部分45・全体165である。割合が大きいのはどちらか。

38 ÷ 152 = 0.25、45 ÷ 165 ≒ 0.273 なので、B年のほうが大きくなります。
ただし、38に対して152はちょうど4倍(25%)だと気づけば、B年の45 × 4 = 180 が165より大きい、つまりB年は25%を超えていると分かります。
割り算を1回もせずに判定できる設問は少なくありません。

分数計算に苦手意識がある人ほど、「正確に出してから比べる」という手順に固執しがちです。
玉手箱で問われているのは正確な値ではなく、比較の結果です。

運営事務局が見てきた実例:増加率で落とす3つのパターン

模擬演習の記録では、増加率まわりの失点はほぼ3種類に集中していました。

  • 前年比と増加率の取り違え:前年比115%と問われているのに115%増として計算し、答えが大きくずれる。設問の言葉をそのまま式にせず、いったん倍率に直す習慣で防げます
  • 単位の見落とし:表の見出しが「百万円」で、選択肢が「億円」になっているケース。計算前に単位へ印をつける動作を入れるだけで、この型の失点はほぼ消えます
  • 図表を最初から読んでしまう:設問を読む前にグラフの全項目を追ってしまい、1問目で1分以上を消費する。設問→必要な数値→図表、の順に切り替えると、後半の問題数が変わります

とくに3つ目は、時間切れの相談をいただいた方の多くに共通していました。
玉手箱の計数は同じ図表で複数問が出ることも多いため、必要な箇所だけを見る癖が最後まで効きます。

電卓はどう使う?打鍵数を減らす打ち方

自宅受検の玉手箱では電卓を使えるのが一般的だが、テストセンター形式のC-GABでは使用できないのが通例である。同じ玉手箱系の出題でも、準備するものが変わる。

まず前提として、受検方式によって電卓の可否が変わります。

受検方式 電卓 備考
玉手箱(自宅Web受検) 使用できるのが一般的 手元の電卓を使う
C-GAB(テストセンター) 使用できないのが通例 会場で配布される用具を使う
C-GAB plus(自宅・監視あり) 企業や運用による 案内の記載に従う

いずれも企業の案内が優先されるため、必ず受検案内を確認してください。
形式ごとの可否は「Webテストで電卓は使える?」(No.13)にまとめています。

電卓が使える場合、打ち方で速さが変わります。

  • 増加率は「後 ÷ 前 = 」まで打ち、表示された数値から1を引いて読む(-1 と ×100 は暗算で処理する)
  • 同じ数値を繰り返し使うときはメモリー機能(M+ / RM)に入れる
  • 桁の多い数値は、下位の桁を切り捨てて打つ(150,382 → 150)
  • 打ち間違いに気づいたら、途中から直そうとせず最初から打ち直す

3つ目の切り捨ては、概算と組み合わせると効果が大きくなります。
選択肢が離れている設問では、上位2桁だけで判定できます。

練習メニューと時間配分は?

増加率は、覚える量が少ないぶん、練習の初日から得点に反映されやすい。1問30〜60秒で処理する感覚を、時間を計って身につけるのが近道である。

残り日数別の進め方です。

残り日数 進め方
3日 前年比と増加率の変換を20問。計算ではなく変換だけを練習する
1週間 図表の読み取りを時間を計って解く。1問60秒で切り、解けた数を記録する
2週間以上 上に加えて、間違いを「読み取り」「変換」「計算」に分類して記録する

間違いの分類は、対策の打ち手を変えるために行います。
読み取りの間違いは設問先読みで、変換の間違いは対応表の暗記で、計算の間違いは概算と桁の切り捨てで減らせます。
どの企業がどの形式を使うかを含めた全体像は「Webテスト対策の完全ガイド」(No.1)、通過ラインの考え方は「玉手箱のボーダーは何割?」(No.67)を参照してください。
そもそも受検する形式が玉手箱かどうか未確定であれば、「WebテストのURL見分け方」(No.4)から確認を始めてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 増加率と増減率は違うものですか?

同じものを指しています。
増加率という言葉は、値が減った場合にはマイナスの増加率として扱われるため、増減率と呼ばれることもあります。
式はどちらも「(後の値 ÷ 前の値 – 1)× 100」で共通です。
設問で「増減率」と書かれていても、新しい公式を思い出す必要はありません。
答えが負の数になったら減少している、と読み替えるだけで足ります。

Q2. 前年比140%は40%増ですか、140%増ですか?

40%増です。
前年比は「前年を100としたときの今年の水準」を表すため、140%は1.4倍を意味します。
増加した分は0.4倍分、つまり40%です。
140%増と読み替えると2.4倍になってしまい、答えが大きくずれます。
迷ったときは、いったん倍率(1.4倍)に直してから増加分を考えると間違えません。

Q3. 2年連続で10%増加した場合、合計で何%増ですか?

21%増です。
1.1 × 1.1 = 1.21 となるため、単純に10 + 10 = 20%とはなりません。
増加率は足すのではなく掛け合わせて重なる、という点が要点です。
減少の場合も同様で、10%減が2年続くと 0.9 × 0.9 = 0.81 で、19%減となります。
複数年の変化を問う設問では、この扱いを間違えると選択肢の1つ隣を選んでしまいます。

Q4. 玉手箱で電卓は使えますか?

自宅で受けるWeb形式では、電卓を使用できるのが一般的です。
一方、テストセンターで受けるC-GABでは電卓を使用できないのが通例で、会場で配布される用具で計算します。
同じ玉手箱系の出題でも準備が変わるため、受検方式の確認は必須です。
自宅受検の場合は、メモリー機能のある電卓を用意しておくと、同じ数値を繰り返し使う設問で有利になります。
ただし企業の案内に従うのが前提なので、必ず記載を確認してください。

Q5. 計算が遅くて時間内に終わりません。どうすればいいですか?

計算を速くするより、計算する回数を減らしてください。
図表の読み取りは全問を解ききることを前提とした設計ではないため、正確さを追って1問に時間をかけるほど不利になります。
設問を先に読んで必要な数値だけを見る、選択肢の間隔を見て概算で決める、この2つで処理量が大きく変わります。
そのうえで、60秒を超えた問題は選択肢を1つ選んで次に進んでください。
解ける問題を確実に取るほうが、結果として得点は伸びます。

Q6. 分数の計算が苦手でも大丈夫ですか?

問題ありません。
玉手箱で問われるのは分数そのものの計算ではなく、割合の比較です。
分子と分母の大小関係を見るだけで判定できる設問が多く、すべてを割り算する必要はありません。
どうしても計算が必要な場面でも、有効数字2桁で足ります。
「正確に出してから比べる」という手順をやめるだけで、体感の難易度は下がります。

まとめ

玉手箱の増加率は、覚える量が少なく、練習の効果が出やすい分野です。

  • 公式は「(後 ÷ 前 – 1)× 100」の1本。減少率も同じ式で処理できる
  • 前年比120% = 1.2倍 = 20%増の変換を、その場で考えずに出せるようにする
  • 増加率は足さずに掛ける。20%増が2年で44%増
  • 設問を先に読み、必要な数値だけを図表から拾う
  • 選択肢の間隔を見て、概算で決められる問題は概算で終える
  • 割合の比較は、分子と分母の大小関係で先に候補を落とす

まずは、前年比と増加率の変換だけを20問続けて練習してみてください。
計算を速くしなくても、迷う時間が消えるだけで解ける問題数は変わります。
受検形式が複数あって準備の配分に迷う場合は、テストビズのような個別対策の場で、形式ごとに必要な範囲を切り分けるのも選択肢の一つです。

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