この記事でわかること
- 累積度数とは何か、度数・相対度数との違いと「〜以上は全体の何%か」の解き方
- 累積度数のグラフから、特定の階級の度数を差で読み取る方法
- 大小比較の問題を、全部計算せずに片づける3つの落とし方
- 選択肢に「わからない」がある設問で、データ不足を見抜く基準
- 2軸グラフ(棒+折れ線)やダイヤグラム型で、軸の対応を最初に確認する理由
- 「Xとおくと」型で、数値ではなく式のまま答える手順
執筆:テストビズ運営事務局(最終更新日:2026年9月7日)
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玉手箱の図表の読み取りは、割合や増加率の計算が中心ですが、そこに時折混ざる別種の設問で崩れる人がいます。
累積度数、大小比較、2軸グラフ、そして文字式で答える問題です。
どれも計算そのものは簡単で、初見かどうかだけが差になります。
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玉手箱の累積度数とは?その階級までの合計人数
累積度数とは、度数分布表で、最初の階級からその階級までの度数を足し上げた数である。「〇点以上は全体の何%か」という設問は、累積度数を使えば足し算だけで終わる。
まず用語を整理します。
似た言葉が並びますが、意味は単純です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 度数 | その階級に入っている個数・人数 |
| 相対度数 | 度数 ÷ 全体。その階級が全体に占める割合 |
| 累積度数 | 最初の階級からその階級までの度数の合計 |
| 累積相対度数 | 累積度数 ÷ 全体。「〇以下の割合」がそのまま読める |
【例題1】次の度数分布表について、40点以上の人は全体の何%か。
| 階級(点) | 度数(人) |
|---|---|
| 0以上20未満 | 4 |
| 20以上40未満 | 10 |
| 40以上60未満 | 16 |
| 60以上80未満 | 14 |
| 80以上100以下 | 6 |
| 合計 | 50 |
40点以上は 16 + 14 + 6 = 36人です。
36 ÷ 50 = 0.72 なので、72%が答えになります。
このとき、40点未満の 4 + 10 = 14人から求めても構いません。
14 ÷ 50 = 0.28 なので、100 – 28 = 72%です。
足す項目が少ないほうを選ぶと、それだけで計算時間が半分になります。
階級が5つ以上ある表では、この選び方が効いてきます。
累積度数のグラフはどう読む?差が階級の度数になる
累積度数のグラフは右上がりの折れ線になる。ある階級の度数は、グラフを読むのではなく、隣り合う2点の差を取って求める。
累積度数のグラフを、通常の度数のグラフと同じつもりで読むと必ず間違えます。
グラフ上の点が示しているのは、その階級までの「合計」だからです。
- 特定の階級の度数を知りたい → その階級の右端の値から、左端の値を引く
- 「〇以下の割合」を知りたい → グラフの値をそのまま読む(縦軸が累積相対度数の場合)
- 「〇以上の割合」を知りたい → 100%からグラフの値を引く
【例題2】累積度数のグラフで、40点時点の累積が14人、60点時点の累積が30人だった。40点以上60点未満の人数は何人か。
30 – 14 = 16人です。
グラフから直接この階級の高さを読もうとすると、そもそもそのような高さは描かれていません。
累積のグラフは、途中で傾きがゆるくなる部分が「人数の少ない階級」を意味します。
急に立ち上がっている部分が、もっとも人数の多い階級です。
最頻値を問われたときは、この傾きの変化だけで答えが出ます。
度数分布から平均や中央値を出すには?
度数分布表から平均を出すときは、各階級の中央の値(階級値)に度数をかけて合計し、全体で割る。中央値は、累積度数が全体の半分を超える階級を探すだけで求められる。
累積度数を扱う設問では、平均や中央値をあわせて問われることがあります。
どちらも手順は決まっています。
| 求めるもの | 手順 |
|---|---|
| 平均 | (階級値 × 度数)をすべて足し、合計度数で割る |
| 中央値が入る階級 | 累積度数が全体の半分を超える最初の階級 |
| 最頻値の階級 | 度数が最も大きい階級(累積グラフなら傾きが最も急な区間) |
階級値とは、その階級の真ん中の値です。
0以上20未満なら10、20以上40未満なら30として扱います。
先ほどの表(合計50人)で中央値を考えます。
50人の中央は25番目と26番目です。
累積度数は40点未満で14人、60点未満で30人なので、25番目と26番目はどちらも40以上60未満の階級に入ります。
個々の値を計算しなくても、累積度数を上から追うだけで階級が確定します。
なお、度数分布表から求める平均は、階級値を代表値として使うため厳密な平均とは一致しません。
選択肢が「およそ」で示されているのは、このためです。
大小比較の問題はどう解く?全部を計算しない
大小比較は、選択肢の数だけ割り算をする問題ではない。基準をそろえ、明らかに小さいものを先に落として、残った2つだけを比べる。
「利益率が最も高いのはどの社か」「割合が最大の年はどれか」といった設問は頻出です。
すべてを計算していると、1問で1分以上かかります。
落とし方は3つです。
| 手段 | 使いどころ |
|---|---|
| 分子・分母の大小で落とす | 分子が小さく分母が大きい項目は、計算せず除外できる |
| 基準をそろえる | 「10%はいくつか」を先に出し、それを超えるかで判定する |
| 概算で2つに絞る | 有効数字2桁で計算し、近い2つだけ精算する |
【例題3】A社は売上1,200億円・営業利益84億円、B社は売上1,500億円・営業利益96億円である。営業利益率が高いのはどちらか。
A社の売上の10%は120億円、B社は150億円です。
どちらも営業利益はその半分強なので、5%台後半から7%程度と見当がつきます。
実際に計算すると、A社は 84 ÷ 1200 = 7.0%、B社は 96 ÷ 1500 = 6.4% で、A社が高くなります。
ここでも、B社の売上の7%が105億円であることに気づけば、96億円はそれに届かないと分かり、割り算は1回で済みます。
選択肢に「わからない」がある設問
玉手箱では、選択肢に「この資料からはわからない」が含まれることがあります。
この場合、計算に入る前に、必要なデータが図表にそろっているかを確認してください。
- 設問が求めている項目が、図表に存在しない
- 割合しか示されておらず、実数が分からない(またはその逆)
- 対象となる期間や範囲が、図表の範囲外にある
この3つのいずれかに当てはまれば、答えは「わからない」です。
無理に近い数値を作って選ぶと、そこで時間も点も失います。
2軸グラフやダイヤグラム型はどう読む?軸の対応が最優先
棒グラフと折れ線グラフが重なった図では、左右で軸が別になっていることが多い。どちらの軸がどのデータに対応しているかを、計算前に必ず確認する。
図表の読み取りで出るグラフの種類は限られています。
種類ごとに、最初に確認すべき点が決まっています。
| グラフの種類 | 最初に見る場所 |
|---|---|
| 棒グラフ | 縦軸の単位と、目盛が0から始まっているか |
| 折れ線グラフ | 縦軸の単位。増減の幅は目盛の刻みで印象が変わる |
| 円グラフ | 全体の総額。構成比だけでは実数が出せない |
| 帯グラフ | 各年の全体量が違う場合、比率の比較と実数の比較は別 |
| 2軸グラフ(棒+折れ線) | 左軸・右軸のどちらがどのデータかの対応 |
| ダイヤグラム型(2つの量の関係を線で示す図) | 線の傾きが何を表すか(単位あたりの変化) |
とくに2軸グラフは、右軸が%、左軸が金額といった組み合わせが典型です。
金額の増減を右軸で読んでしまうと、答えが桁ごとずれます。
また、円グラフや帯グラフでは、構成比が下がっていても実数は増えている、という状況が普通に起こります。
「割合が減った=量が減った」と読まないでください。
ダイヤグラム型の図では、線の傾きが単位あたりの変化を表します。
傾きが急なほど変化が速く、線が交わる点は2つの量が等しくなる時点を示します。
数値を読み取る前に、傾きと交点が何を意味するかを一言で言えるようにしておくと、設問の意図を取り違えません。
運営事務局が見てきた実例:図表の種類で崩れる3パターン
模擬演習の記録では、この分野の失点は計算ミスよりも読み取りの初期段階に集中していました。
- 2軸グラフで軸を取り違える:金額を右軸(%)の目盛で読み、答えが桁違いになる。グラフを見た瞬間に「左は金額、右は率」と口に出して確認する動作で防げます
- 円グラフの構成比だけで実数を比較する:全体額が異なる2年を、構成比のまま比べてしまう。総額が示されているかを先に確認する習慣が必要です
- 累積のグラフを通常のグラフとして読む:右上がりの折れ線を見て「毎年増えている」と解釈してしまう。累積は減ることがないため、そもそも増減の判断には使えません
3つ目は、累積という言葉に馴染みのない人ほど起こりやすい間違いでした。
グラフのタイトルに「累積」と入っているかを確認するだけで避けられます。
「Xとおくと」型はどう解く?数値を出さずに式で答える
選択肢が数値ではなく式になっている設問では、計算をする必要がない。増減の倍率をかけ合わせて、そのまま式の形で答える。
「2019年の売上をXとすると、2021年の売上はどのように表されるか」という形式です。
実数が与えられていないため、そもそも数値では答えられません。
手順は次のとおりです。
- 基準の年をXと置く(問題文の指定に従う)
- 各年の変化を倍率に直す(20%増は1.2倍、15%減は0.85倍)
- 順にかけ合わせる
- 選択肢の形式(小数か分数か)に合わせて整える
【例題4】2019年の売上をXとする。2020年は前年比15%増、2021年は前年比10%減であった。2021年の売上をXで表せ。
1.15 × 0.9 = 1.035 なので、2021年の売上は 1.035X と表されます。
15 – 10 = 5 として1.05Xとするのは誤りです。
増減率は足し算ではなく掛け算で重なります。
この考え方は「玉手箱の増加率・前年比の解き方」(No.265)でも扱っています。
この形式は、計算量が少ないぶん確実に取れる設問です。
選択肢が式になっていたら、加点のチャンスだと考えてください。
時間配分と練習メニューは?
この分野は、初見かどうかで所要時間が倍以上変わる。目新しい形式を一度ずつ見ておくことが、そのまま時間短縮になる。
練習は、量よりも形式の網羅を優先します。
| 残り日数 | 進め方 |
|---|---|
| 3日 | 累積度数・2軸グラフ・「Xとおく」型を各3問ずつ、形式を見ておく |
| 1週間 | 図表の読み取りを時間を計って解き、1問60秒で切る練習を入れる |
| 2週間以上 | 大小比較を、割り算の回数を数えながら解く。回数を減らすことを目標にする |
割り算の回数を数えるという練習は、速さを意識づけるのに有効です。
図表の読み取り全体の解き方は「玉手箱の図表の読み取り」(No.61)、計数全体の進め方は「玉手箱の対策法」(No.54)にまとめています。
同じ日本エス・エイチ・エル社のGABでも同種の設問が出るため、併願する場合は「GABの計数対策」(No.87)も確認してください。
通過ラインの考え方は「玉手箱のボーダーは何割?」(No.67)、そもそも受検形式が玉手箱かどうかの確認は「WebテストのURL見分け方」(No.4)から進められます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 累積度数と度数の違いが分かりません。
度数はその階級だけの個数、累積度数は最初の階級からその階級までを足し上げた合計です。
たとえば0〜20点が4人、20〜40点が10人であれば、40点未満の累積度数は14人になります。
「〇以下は何人か」という設問なら累積度数をそのまま使え、「その階級は何人か」なら累積の差を取ります。
表の見出しに「累積」と書かれているかどうかを、計算前に必ず確認してください。
ここを取り違えると、以降の計算がすべてずれます。
Q2. 選択肢に「わからない」がある問題は、選んでもいいのですか?
条件を満たしていれば、正解として選ぶべき選択肢です。
玉手箱では、資料に必要なデータがそろっていない設問が意図的に混ぜられます。
割合しか示されていないのに実数を問われている、対象期間が図表の範囲外にある、といった場合が典型です。
逆に、データはそろっているのに計算が面倒だから「わからない」を選ぶ、という使い方は失点につながります。
判断基準は、計算の難易度ではなく、データの有無です。
Q3. 2軸グラフで、どちらの軸を見ればいいか分かりません。
凡例と軸ラベルの単位を照らし合わせてください。
一般に、棒グラフは左軸、折れ線グラフは右軸に対応していることが多いのですが、逆のパターンもあります。
凡例に「(左軸)」「(右軸)」と明記されている図も多いため、まずそこを確認します。
単位が金額と%であれば、問われている値の性質からどちらの軸かは判断できます。
確認に使うのは数秒で、取り違えたときの損失に比べれば十分に見合います。
Q4. 設問の文言で検索すれば答えが見つかりますか?
おすすめしません。
玉手箱は同じ図表でも設問や数値のパターンが複数用意されており、見つけた答えがそのまま当てはまるとは限りません。
また、解答を外部から入手して受検する行為は、多くの企業で不正と扱われ、内定取り消しの対象になり得ます。
検索に使う時間があれば、同じ形式の問題を1問解くほうが確実に得点につながります。
図表の読み取りは形式のパターンが限られているため、慣れれば初見の図表でも同じ手順で処理できます。
Q5. ダイヤグラムのような見慣れない図が出たらどうすればいいですか?
まず、縦軸と横軸が何を表しているかを声に出して確認してください。
そのうえで、線の傾きが「単位あたりの何の変化か」を言葉にできれば、たいていの設問は読めます。
交点があれば、そこは2つの量が等しくなる点です。
見慣れない図に見えても、確認する項目は通常のグラフと変わりません。
図の形に驚いて時間を使うより、軸の意味を先に確定させるほうが早く進みます。
Q6. 大小比較で、結局どこまで計算すればいいですか?
選択肢が2つに絞れるまでです。
そこから先は、実際に割り算をして決めてください。
最初から全部を割ると、明らかに答えではない項目にも同じ時間をかけることになります。
分子が小さく分母が大きい項目、基準の10%に届かない項目を先に落とすだけで、対象は半分以下になります。
「全部計算しない」を前提に手順を組んでおくことが、この形式では最も効きます。
まとめ
累積度数・大小比較・2軸グラフ・文字式は、いずれも初見だと戸惑い、知っていれば速い設問です。
- 累積度数は「その階級までの合計」。足す項目が少ないほうから計算する
- 累積のグラフでは、階級の度数は隣り合う2点の差で求める
- 大小比較は全部計算せず、分子・分母の大小と基準の10%で候補を落とす
- 選択肢に「わからない」があれば、データの有無で判断する
- 2軸グラフは左右どちらの軸に対応するかを計算前に確認する
- 「Xとおく」型は倍率をかけ合わせるだけ。増減率は足さない
対策としては、これらの形式を一度ずつ見ておくだけで所要時間が変わります。
問題数をこなす前に、形式の網羅を優先してください。
複数形式を並行して準備していて配分に迷う場合は、テストビズのような個別対策の場で、形式ごとに必要な範囲を切り分けるのも選択肢の一つです。
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