SPIの非言語で出題される集合(ベン図)は、公式さえ覚えれば確実に得点できる分野です。
一方で、3集合になった途端に手が止まる、条件が文字で与えられると式が立たない、という相談が絶えません。
この記事ではspi 集合の解き方を、2集合・3集合・文字式が絡むパターンの順に、例題と練習問題つきで整理します。
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この記事でわかること
- SPIの集合問題で使う公式(2集合・3集合)
- ベン図・表・線分図の使い分けの基準
- 「どちらでもない」「少なくとも一方」の処理方法
- 「ちょうど2つ」が与えられたときの解き方
- 練習問題3問と、途中式つきの解説
著者:テストビズ運営事務局
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最終更新日:2026年9月7日
SPIの集合問題では何が問われるのか?
集合はSPI非言語の頻出分野の一つで、2つまたは3つのグループの重なりを整理する問題です。公式が固定されているため、対策すれば最も安定して得点できる分野になります。
SPIの非言語では、推論・場合の数・確率・割合・速度算・仕事算などと並んで集合が出題分野として挙げられています。
出題のされ方はおおむね次の4パターンです。
| パターン | 問われること | 難度 |
|---|---|---|
| 2集合・数値のみ | 両方・どちらでもないの人数 | 易 |
| 2集合・文字式 | 比や倍数の条件から人数を求める | 中 |
| 3集合・数値のみ | 包除原理で和集合を求める | 中 |
| 3集合・「ちょうど2つ」 | 重なりの層を分けて数える | やや難 |
推論のように条件を場合分けして詰めていく必要がなく、当てはめる式が決まっているのが集合の特徴です。
つまり、公式を覚えた時点で得点源になります。
非言語全体の進め方は「SPI対策の始め方」で整理しています。
2集合はどの公式で解くのが最短か?
2集合で使う式は1つだけです。「全体=Aのみ+Bのみ+両方+どちらでもない」と「A∪B=A+B−両方」の2本を、問題に応じて使い分けます。
覚えるのは2本だけ
- 和集合の公式:n(A∪B) = n(A) + n(B) − n(A∩B)
- 全体との関係:全体 = n(A∪B) + どちらでもない
- 「Aのみ」= n(A) − n(A∩B)
- 「少なくとも一方」= n(A∪B) と読み替える
「少なくとも一方」という表現が出たら、それは和集合のことです。
この読み替えができれば、2集合の問題はほぼ機械的に処理できます。
例題1:どちらでもない人数を求める
問題
学生200人にアンケートをとったところ、英語が好きな学生は130人、数学が好きな学生は90人、両方好きな学生は45人だった。どちらも好きではない学生は何人か。
解説
まず和集合(少なくとも一方が好きな人)を求めます。
n(A∪B) = 130 + 90 − 45 = 175
全体からこれを引きます。
200 − 175 = 25人
ポイントは、130と90を足すと両方好きな45人を二重に数えてしまうため、一度引く点です。
この「二重に数えた分を引く」という発想が、3集合でもそのまま使えます。
3集合の公式はどう使うのか?
3集合では包除原理を使います。3つ足して、2つずつの重なりを3回引き、最後に3つ全部の重なりを1回足す、という形です。
包除原理の式
n(A∪B∪C) = n(A) + n(B) + n(C) − n(A∩B) − n(B∩C) − n(A∩C) + n(A∩B∩C)
| 項 | 符号 | 理由 |
|---|---|---|
| 各集合(3つ) | + | まず全部足す |
| 2つずつの重なり(3つ) | − | 二重に数えた分を引く |
| 3つ全部の重なり | + | 引きすぎた分を戻す |
符号が「+ − +」と交互になると覚えると忘れにくくなります。
中央部分(3つ全部)は、3回足して3回引いているので0になっており、最後に1回足して帳尻を合わせる、という理屈です。
例題2:3集合で「いずれも該当しない」を求める
問題
100人にアンケートをとったところ、商品Aを持っている人は55人、商品Bは45人、商品Cは40人だった。AとBの両方を持つ人は20人、BとCの両方は15人、AとCの両方は18人、3つとも持つ人は8人である。1つも持っていない人は何人か。
解説
包除原理に当てはめます。
n(A∪B∪C) = 55 + 45 + 40 − 20 − 15 − 18 + 8 = 95
100 − 95 = 5人
注意点は、問題文の「AとBの両方」がCを含むかどうかです。
SPIでは通常、n(A∩B)は「Cも持っている人を含む」数として与えられます。
もし「AとBだけを持つ人」と書かれていたら、それは中央部分を除いた数なので、式の使い方が変わります。
この読み分けが3集合で最も差がつくところです。
ベン図・表・線分図はどう使い分けるか?
2集合は表、3集合はベン図が基本です。ただし文字式が絡む場合は、図を描かず式を立てるほうが速いこともあります。
| 道具 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表(2×2) | 2集合で複数の数値が与えられる | 縦横の合計を必ず埋める |
| ベン図 | 3集合、重なりの層を数える | 中央から外側へ埋める |
| 線分図 | 「〜のうち何割」が続く問題 | 集合よりは割合向き |
| 式のみ | 文字式で未知数を求める | 図を描く時間を節約できる |
3集合のベン図は、必ず中央(3つ全部)から埋めてください。
外側から埋めると、後から中央の数を引く作業が発生し、ミスが増えます。
- 手順1:中央(A∩B∩C)を書き込む
- 手順2:2つずつの重なりから中央の数を引いて書き込む
- 手順3:各集合の合計から、すでに埋めた数を引いて「〜だけ」の部分を出す
- 手順4:全体から和集合を引いて「どれでもない」を出す
この順番を固定しておくと、本番で迷いません。
「ちょうど2つ」と書かれたらどう処理するか?
「ちょうど2つ」は中央を含まない層の合計です。各集合の合計を足した数は、1つだけの人を1回、2つの人を2回、3つの人を3回数えていると考えると整理できます。
層で数える考え方
3集合の人数を単純に足した値には、次の関係があります。
n(A) + n(B) + n(C) = (ちょうど1つ) + 2×(ちょうど2つ) + 3×(ちょうど3つ)
そして和集合は、層をそのまま足したものです。
n(A∪B∪C) = (ちょうど1つ) + (ちょうど2つ) + (ちょうど3つ)
この2本があれば、「ちょうど2つ」が与えられた問題は式1本で解けます。
ベン図を描くより速いので、余裕があればこちらを覚えてください。
運営事務局が見てきた実例:集合でつまずく典型パターン
運営チーム累計6,000件超の学習相談から、集合分野の質問を匿名化して整理すると、つまずきは次の3つに集約されました。
- 最も多い — 「AとBの両方」が3つ目を含むのか含まないのかを読み違える。問題文の「だけ」「のみ」という語を見落としている
- 次に多い — 3集合でベン図を外側から埋めようとして、中央の処理が二重になる。中央から埋める手順を固定していない
- 意外に多い — 文字式のパターンで図を描き始めてしまい、時間を使い切る。式を立てれば1行で終わる問題だった
実務的な学びとして、集合は「解けない」より「読み違える」「手順が定まっていない」ことによる失点が多い分野です。
公式そのものより、問題文の語尾と作業手順を固定しておくほうが点数に直結します。
練習問題で解き方を確認しよう
ここでは典型的な3パターンを扱います。文字式、ちょうど2つ、逆算の3問です。まず自分で解いてから解説を読んでください。
練習問題1:文字式のパターン
問題
ある塾の生徒120人のうち、英語が得意な生徒は80人、数学が得意な生徒は70人であった。どちらも得意ではない生徒の数は、両方得意な生徒の数のちょうど3分の1である。このとき、数学は得意ではないが英語が得意な生徒は何人か。
解説
両方得意な生徒をx人とすると、どちらも得意ではない生徒はx/3人です。
全体を4つの層に分けて式を立てます。
(80 − x) + x + (70 − x) + x/3 = 120
整理すると
150 − x + x/3 = 120
−(2/3)x = −30
x = 45
求めるのは「数学は得意ではないが英語が得意」、つまり英語だけが得意な生徒です。
80 − 45 = 35人
検算しておきます。英語だけ35人、両方45人、数学だけ25人、どちらも15人。合計は120人で一致します。
このパターンは暗算で処理しようとせず、4つの層を書き出してから式にするのが確実です。
練習問題2:「ちょうど2つ」のパターン
問題
150人に新聞の購読状況を調べたところ、A紙を購読している人は70人、B紙は60人、C紙は50人だった。ちょうど2紙を購読している人は25人、3紙とも購読している人は10人である。1紙も購読していない人は何人か。
解説
層の関係式を使います。
70 + 60 + 50 = (ちょうど1つ) + 2×25 + 3×10
180 = (ちょうど1つ) + 50 + 30
ちょうど1つ = 100
和集合は層の合計です。
100 + 25 + 10 = 135
150 − 135 = 15人
ベン図を描いても解けますが、層の式を知っていれば計算3行で終わります。
「ちょうど」という語が出た時点でこの式を思い出せるようにしておいてください。
練習問題3:逆算のパターン
問題
40人のクラスで、犬を飼っている人は18人、猫を飼っている人は14人、犬も猫も飼っていない人は14人である。犬と猫の両方を飼っている人は何人か。
解説
まず和集合を出します。
40 − 14 = 26
次に和集合の公式を変形します。
n(A∩B) = n(A) + n(B) − n(A∪B) = 18 + 14 − 26 = 6人
与えられているのが「どちらでもない」で、求めるのが「両方」というだけで、使う式は例題1と同じです。
何が与えられ、何を求めるのかを整理すれば、公式を変形するだけで解けます。
本番で集合問題をどう処理すべきか?
集合は解ける前提で臨む分野です。1問60秒を上限とし、それを超えたら読み違えを疑って設問文に戻ってください。
| 状況 | 対応 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 2集合・数値のみ | 公式に代入するだけ | 30秒 |
| 2集合・文字式 | 4層を書き出して式を立てる | 60〜90秒 |
| 3集合・数値のみ | 包除原理に代入 | 45秒 |
| 3集合・ちょうど2つ | 層の関係式を使う | 60秒 |
運営事務局の模擬演習では、集合で時間を失う受検者のほとんどが「途中で条件を読み直している」ケースでした。
最初に問題文を読む段階で、与えられた数が「重なりを含むのか含まないのか」に印をつけておくと、後戻りが減ります。
集合と併せて出題頻度が高いのは推論と場合の数です。
解き方は「SPI推論の解き方とコツ」「SPI場合の数・確率・組み合わせの解き方」で整理しています。
よくある質問(FAQ)
SPIの集合問題は必ず出ますか?
必ず出るとは限りませんが、頻出分野の一つです。
SPIの非言語では集合・場合の数・確率・割合・速度算・仕事算・推論などが出題分野として挙げられており、集合はその中でも公式が固定されている分野です。
なお、テストセンターとWEBテスティングは受検者の解答状況によって出題が変わるため、誰にでも同じ問題が出るわけではありません。
ただし対策コストが低く得点しやすいため、優先度は高いと考えてよいでしょう。
公式を2〜3本覚えるだけで、出題されたときに確実に取れる状態を作れます。
ベン図は必ず描いたほうがよいですか?
3集合では描くことをおすすめしますが、2集合では省略できる場合が多いです。
2集合は「全体=Aのみ+Bのみ+両方+どちらでもない」という4層の関係が単純なので、図がなくても式を立てられます。
一方、3集合は7つの領域があり、頭の中だけで管理すると取り違えが起きやすくなります。
描く場合は必ず中央(3つ全部の重なり)から埋めてください。
外側から埋めると、後から中央分を引く作業が発生し、そこでミスが出ます。
なお、文字式で未知数を求めるパターンでは、図を描くより式を立てるほうが速いこともあります。
「AとBの両方」はCを含みますか?
問題文の書き方によります。
SPIでは通常、n(A∩B)として与えられる「AとBの両方」はCを持つ人も含んだ数です。
一方、「AとBだけを持つ人」「AとBの2つのみ」と書かれていれば、それは中央部分を除いた数を指します。
この違いを読み違えると、答えが中央部分の人数だけずれます。
対策としては、問題文を読む段階で「だけ」「のみ」「ちょうど」といった語に印をつけておくことです。
運営事務局に寄せられる集合の質問でも、この読み違えが最も多い原因になっています。
3集合の公式が覚えられません。コツはありますか?
符号が「+ − +」と交互になる、と覚えてください。
まず3つの集合を全部足し、2つずつの重なり3つを引き、最後に3つ全部の重なりを1回足します。
理屈としては、中央部分を3回足して3回引いた結果0になっているため、1回足して戻している、という構造です。
この理由を理解しておくと、符号を思い出せなくなったときに自分で導けます。
また、「ちょうど2つ」が与えられる問題では包除原理を使わず、n(A)+n(B)+n(C) = ちょうど1つ + 2×ちょうど2つ + 3×ちょうど3つ という層の式のほうが速く解けます。
集合問題で計算ミスを減らすには?
検算を1行入れる習慣をつけてください。
集合の問題は、求めた数を含めて全ての層を足すと必ず全体と一致します。
たとえば2集合なら「Aのみ+Bのみ+両方+どちらでもない=全体」が成り立つはずです。
この足し算は数秒で終わるうえ、符号の取り違えや引き忘れをほぼ確実に検出できます。
また、SPIのテストセンターやWEBテスティングでは前の問題に戻れないため、その場で検算する意味が特に大きくなります。
1問60秒を目安にし、そのうち10秒を検算に充てる配分がおすすめです。
玉手箱やSCOAでも集合は出ますか?
形式によって扱いが異なります。
玉手箱の計数は図表の読み取り・四則逆算・表の空欄推測が中心で、SPIのような集合の文章題は基本的に出題されません。
一方、SCOAの数理や論理、BRIDGEの能力検査では、集合や推論に近い問題が出題されると紹介されています。
つまりSPIの集合対策は、SCOAやBRIDGEにも部分的に流用できます。
ただし玉手箱・GAB系を受ける場合は、集合よりも図表の読み取りを優先したほうが投資対効果は高くなります。
受検する形式が確定してから、優先順位を決めてください。
集合が苦手です。何から手をつければよいですか?
2集合の4層を書き出す練習から始めてください。
「Aのみ」「Bのみ」「両方」「どちらでもない」の4つを毎回書き出す癖をつけると、何が与えられていて何が未知なのかが自動的に整理されます。
これができるようになってから3集合に進むと、ベン図の7領域も同じ発想で扱えます。
順番を飛ばして3集合の公式から覚えようとすると、符号の意味が分からないまま暗記することになり、応用が利きません。
また、苦手意識の原因が計算ではなく問題文の読み取りにあるケースも多いので、間違えた問題は「計算ミスか、読み違えか」を分けて記録しておくと改善が速くなります。
まとめ
SPIの集合は、公式が固定されているため対策すれば確実に得点できる分野です。
2集合で使うのは「n(A∪B) = n(A) + n(B) − n(A∩B)」と「全体 = 和集合 + どちらでもない」の2本だけ。
3集合では包除原理を使い、符号が「+ − +」と交互になると覚えてください。
「ちょうど2つ」が与えられた問題では、包除原理より層の関係式が速く解けます。
n(A)+n(B)+n(C) = ちょうど1つ + 2×ちょうど2つ + 3×ちょうど3つ、という式です。
そして集合で失点する原因の多くは、計算力ではなく読み違えです。
「AとBの両方」がCを含むのか、「AとBだけ」なのか。問題文の「だけ」「のみ」「ちょうど」に印をつける習慣が、そのまま得点になります。
3集合のベン図は必ず中央から埋め、最後に全層を足して全体と一致するか検算してください。
非言語全体の勉強順を決めたい場合は「SPI対策の始め方」を参照してください。
参考にした一次情報源
リクルートマネジメントソリューションズ「SPI3」公式サイト(能力検査の構成・受検方式)。出題分野の分類については各種対策メディアの公開情報を参照しています。
本記事の例題・練習問題は運営事務局が作成したオリジナル問題です。出題分野や傾向は受検方式・年度により変動するため、最新の情報は受検案内および公式情報を確認してください。
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