この記事でわかること
- 誤謬率(ごびゅうりつ)の定義と、正答率・正答数との違い
- 誤謬率が測定されるとされる検査と、されないとされる検査の整理
- その情報がどこまで確かなのか(提供各社が仕様を公表しているわけではない、という前提)
- 「わからない問題は適当に埋めるべき」と言われる理由を、期待値で説明
- 適当に埋めることが有効な場面と、避けたほうがよい場面
- SPIで「飛ばす」ことの意味と、戻れない仕様との関係
- 誤謬率を気にするより先に取り組むべきこと
この記事の著者:テストビズ運営事務局
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最終更新日:2026年9月8日
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誤謬率とは?正答率・正答数との違いを整理する
誤謬率とは、解答した問題のうち間違えた問題の割合を指します。未解答は分母に含まれないため、「解いた問題の中でどれだけ間違えたか」を示す指標です。
3つの指標は、分母が違います。
同じ結果でも、どの指標で見るかによって評価が変わります。
| 指標 | 計算式 | 何を見ているか |
|---|---|---|
| 正答数 | 正解した問題数 | どれだけ正解を積み上げたか |
| 正答率 | 正解数 ÷ 出題数 | 全体のうちどれだけ正解したか |
| 誤謬率 | 誤答数 ÷ 解答数 | 手をつけた問題での正確さ |
具体例で見ます。
30問出題され、20問に解答し、そのうち14問が正解だった場合は次のようになります。
- 正答数:14問
- 正答率:14 ÷ 30 = 約47%
- 誤謬率:6 ÷ 20 = 30%
ここで重要なのは、誤謬率だけが「未解答を分母に含まない」点です。
つまり誤謬率が評価される検査では、確信のない問題を埋めると数値が悪化します。
逆に誤謬率が測られない検査では、埋めないことによる利益がありません。
誤謬率が測られるWebテストはどれ?形式別の整理
対策本や受検者の情報を総合すると、大半の適性検査では誤謬率は測定されず、事務処理の正確さを見る一部の検査でのみ測られるとされています。
まず前提を書きます。
誤謬率の測定有無について、各検査の提供会社が仕様を公表しているわけではありません。
以下は、対策本や就職・転職の情報サイト、受検者の報告を突き合わせて整理したもので、企業の設定によって異なる可能性があります。断定的な情報として扱わないでください。
| 検査 | 誤謬率(一般に言われている扱い) | 備考 |
|---|---|---|
| SPI3-U / SPI3-G | 測定されないとされる | 正答数が中心の評価 |
| SPI3-R / SPI3-N | 測定されるとされる | 事務職・一般職向けの検査 |
| 玉手箱 | 測定されないとされる | 正解数で評価 |
| GAB / C-GAB | 測定されないとされる | 同上 |
| CAB / Web-CAB | 測定されないとされる | 同上 |
| TG-WEB | 測定されないとされる | 同上 |
| SCOA-A(基礎能力) | 測定されないとされる | 埋める方針が推奨される |
| SCOA-C(事務能力) | 測定されるとされる | 正確さを見る検査 |
| CUBIC | 測定されないとされる | 情報が少なく要確認 |
傾向として整理すると、事務職・一般職向けの検査や、事務処理の正確さを測る科目でのみ誤謬率が見られるという構図になります。
これは職種の性質によるもので、伝票処理や照合のように「ミスをしないこと」が業務要件になる職種では、当てずっぽうの解答が能力の把握を妨げるためだと説明されています。
なお、誤謬率を測定する場合は、受検前の説明画面でその旨が示されるケースが多いとされています。
受検開始前の注意書きは飛ばさずに読んでください。そこに「誤答は減点となります」といった記載があれば、方針を切り替える必要があります。
なぜ「適当に埋めるべき」と言われるのか|期待値で考える
誤謬率が測られない検査では、未解答は必ず0点、当てずっぽうの解答には正解の可能性があります。期待値で見ると、埋めたほうが得点は上がります。
選択肢が4つの問題を考えます。
| 対応 | 期待できる得点 |
|---|---|
| 未解答のまま残す | 0点 |
| 当てずっぽうで1つ選ぶ | 1問あたり0.25問分 |
| 選択肢を2つに絞って選ぶ | 1問あたり0.5問分 |
10問を未解答で残すのと、当てずっぽうで埋めるのとでは、統計的には2〜3問分の差が生まれます。
これが「わからない問題も埋めるべき」と言われる根拠です。
ただし、この理屈が成り立つのは次の3つの条件が揃うときだけです。
- 誤謬率が測定されない検査であること
- 選択式であること(数値入力型では当てずっぽうはほぼ機能しない)
- 埋める作業に時間を使いすぎないこと
玉手箱の四則逆算のように数値を入力する形式では、当てずっぽうが当たる確率は極めて低くなります。
また、残り30秒で20問を埋めようとして操作に手間取り、直前の解ける問題を落とすようでは本末転倒です。
「適当に埋める」が有効な場面、そうでない場面
有効なのは、能力検査で、時間切れが確定していて、選択式のときだけです。性格検査では逆効果になります。
| 場面 | 埋めるべきか | 理由 |
|---|---|---|
| 能力検査で残り時間が僅か | 埋める | 未解答は0点のため |
| 選択肢を1つ2つ消せる問題 | 埋める | 期待値が上がる |
| 数値入力型(四則逆算など) | 優先度は低い | 当たる確率が低い |
| 誤答が減点と明記された検査 | 埋めない | 説明画面の記載に従う |
| 性格検査 | 該当しない | 一貫性が崩れるだけ |
性格検査で「適当に答える」ことには、得点上の利益がありません。
性格検査は同じ趣旨の質問を言い換えて複数回たずねる構造になっており、適当に答えると回答の一貫性が崩れます。
急いでいても、直感で答えて進めるほうが結果は安定します。
運営事務局が見てきた実例:「埋める」を意識しすぎて失点したケース
運営事務局への相談で、誤謬率をめぐる誤解を2つ見てきました。
1つ目は、「全部埋めなければ」と考えるあまり、解ける問題を落としていたケースです。
残り2分の時点で未解答が15問あることに気づき、そこから全問を埋める作業に入りました。
しかし、埋めている間に取り組んでいた問題が中断され、あと少しで解けるはずだった3問を失いました。
運用を「残り30秒になったら埋める、それまでは解く」に変えたところ、正答数が増えました。
2つ目は、逆に誤答を恐れて未解答を大量に残していたケースです。
新卒時に「適当に答えると評価が下がる」と聞いた記憶があり、確信のない問題は空欄にしていました。
受検した形式は誤謬率が測られないとされるものだったため、その方針は不利にしか働いていませんでした。
どちらも、方針を「いつ切り替えるか」を決めていなかった点が共通しています。
時間を計った演習の中で、埋め始める残り時間を自分で決めておいてください。
わからない問題は飛ばすべき?SPIの「戻れない」仕様に注意
飛ばすこと自体は有効です。ただしSPIのWebテスティング・テストセンターでは、次に進むと前の問題に戻れないため、「飛ばす」は「その問題を捨てる」ことを意味します。
形式によって、飛ばした後の扱いが異なります。
| 形式 | 前の問題に戻れるか | 「飛ばす」の意味 |
|---|---|---|
| SPI(Webテスティング・テストセンター) | 戻れない | 捨てる=未解答が確定する |
| 玉手箱 | 形式により異なる | 次に進むと戻れないことが多い |
| ペーパーテスト(マークシート) | 戻れる | 後回しにできる |
SPIで戻れない以上、飛ばす前に必ず何かを選んでおくのが合理的です。
「後で戻ってこよう」と考えて次に進むと、その問題は0点で確定します。
選択肢を1つでも消せているなら、その中から選んでから進んでください。
飛ばす判断の基準は、事前に数値で決めておくと迷いません。
- 問題を読んで、解法が15秒以内に浮かばなければ次へ
- 計算を始めて30秒経っても答えが出なければ次へ
- 長文で2回読み返したら次へ
この基準は、時間を計った演習で自分に合う数値に調整してください。
時間切れを防ぐ具体的な解き方は「Webテストの時間配分|時間切れ・時間足りないを防ぐ解き方」で扱っています。
正答率と解答数はどちらを優先する?形式別の目安
制限時間が短く問題数が多い形式ほど、正答率より解答数が効きます。逆に問題数が少ない形式では、1問の正誤の重みが大きくなります。
形式ごとの性質を整理します。
| 形式 | 問題数と時間の関係 | 優先すべきもの |
|---|---|---|
| 玉手箱(四則逆算) | 50問9分。1問約11秒 | 解答数。速度が結果を決める |
| 玉手箱(図表の読み取り) | 29問15分など | 解答数と正答率の両方 |
| GAB / C-GAB | 制限時間が短く難度が高い | 解答数。到達することが前提 |
| SPI(Webテスティング) | 1問ごとに制限時間 | 正答率。1問ずつ確実に |
| SCOA | 120問60分。1問約30秒 | 解答数。知識問題は即断 |
SPIは1問ごとに制限時間が設定されており、時間をかけすぎると次の問題が表示される仕組みです。
そのため「解答数を稼ぐ」という発想が働きにくく、目の前の1問に対する正確さが問われます。
一方、玉手箱やGABのように問題数が多い形式では、全問到達できないことが前提の設計です。
この場合、正答率が高くても解答数が少なければ評価は伸びません。
自分の現在地を測る指標としては、次の2つを記録してください。
- 解答数:想定問題数の8割以上に到達しているか
- 正答率:解答した問題のうち7割以上が合っているか
どちらが不足しているかで、次にやることが変わります。
解答数が足りなければ捨てる基準の見直し、正答率が足りなければ頻出分野の演習です。
形式ごとの勉強法の全体像は「Webテスト対策の完全ガイド|種類別の勉強法と始め方」にまとめています。
誤謬率を気にする前に|解答数を増やすほうが確実
誤謬率の有無は自分で確認できないことが多く、対策としては制御できない要素です。制御できるのは、時間内に解ける問題を増やすことだけです。
相談の場でも、誤謬率の話に時間を使う人ほど、演習量が足りていない傾向があります。
優先順位を整理します。
| 優先度 | 取り組むこと | 効果 |
|---|---|---|
| 1 | 時間を計って解き、解答数と正答率を記録 | 現状が分かる |
| 2 | 捨てる基準を数値で決める | 時間切れが減る |
| 3 | 頻出分野を2つに絞って演習 | 正答数が増える |
| 4 | 埋め始める残り時間を決める | 取りこぼしが減る |
| 5 | 誤謬率の有無を確認 | 説明画面を読むだけ |
誤謬率の確認は、受検開始前の説明画面を読むだけで済みます。
そこに記載がなければ、大半の検査と同様、正答数で評価されると考えて進めて問題ありません。
ボーダーや評価の考え方は「Webテストのボーダーは何割?企業別の目安と通過ラインの考え方」、結果の見え方は「Webテストで落ちる理由と落ちたかわかる方法|ボロボロでも通過?」で扱っています。
形式が特定できず判断に迷う場合は、テストビズのような対策サービスに相談する方法もあります。
よくある質問(FAQ)
SPIで誤謬率は測定されますか?
一般に、就職・転職で広く使われるSPI3-U(新卒向け)やSPI3-G(中途向け)では、誤謬率は測定されないと説明されています。
評価の中心は正答数であり、解答した問題のうち何問間違えたかは見られないという整理です。
一方、事務職・一般職向けとされるSPI3-RやSPI3-Nでは誤謬率が測定されるとする情報があります。
ただし、これらは提供会社が仕様として公表しているものではなく、対策本や受検者の報告を突き合わせた説明です。
確実に判断したい場合は、受検開始前の説明画面に減点に関する記載がないかを確認してください。
記載があれば、その指示に従うのが最も確実です。
玉手箱で時間が足りないとき、適当に埋めるべきですか?
形式によります。
玉手箱は誤謬率が測定されないとされるため、選択式の科目(図表の読み取り、論理的読解、趣旨判定など)では、未解答を残すより埋めたほうが期待値は上がります。
一方、四則逆算のように数値を入力する形式では、当てずっぽうが正解する確率は極めて低く、埋める作業に時間を使う価値は小さくなります。
現実的な運用としては、「残り30秒になったら選択式の未解答を埋める、それまでは解き続ける」と決めておくことです。
埋める作業を早く始めすぎると、解けるはずの問題を落とします。
GABやCABでも全部埋めたほうがいいですか?
GAB・C-GAB・CABはいずれも誤謬率が測定されないとされており、未解答を残す利点はありません。
これらの検査は制限時間が短く難度も高いため、時間内に全問到達できないことが標準的な状態です。
そのうえで、解答数が結果に直結する設計になっています。
1問に固執せず、判断して次に進む運用を演習の段階から固定してください。
なお、受検開始前の説明画面に減点に関する記載がある場合は、そちらが優先されます。
形式や企業の設定によって扱いが変わる可能性は残ります。
SCOAは全部埋めていいのでしょうか?
科目によって扱いが異なるとされています。
基礎能力を測るSCOA-Aでは誤謬率は見られないとする情報が多く、わからない問題も埋める方針が推奨されています。
一方、事務能力を測るSCOA-Cや、SCOA-iの「知覚の正確さ」といった科目では、正確さそのものが測定対象となるため、無理に埋めないほうがよいとする説明があります。
これらは受検者の報告に基づく整理であり、公表された仕様ではありません。
SCOAは問題数が多く時間が短いため、いずれにせよ1問あたりの判断を速くすることが前提になります。
受検前の説明画面の記載を必ず確認してください。
誤謬率が高いと不採用になりますか?
誤謬率が測定される検査であっても、その数値だけで合否が決まるとは考えにくいのが実情です。
企業は複数の指標と、書類・面接の内容を合わせて判断します。
また、誤謬率が測られる検査は、事務処理の正確さが業務要件になる職種で使われる傾向があるため、その職種の適性を見る一要素として扱われます。
気にすべきは数値そのものより、受検前の説明に「誤答は減点」と書かれていた場合に、確信のない問題を埋めない方針に切り替えられるかどうかです。
記載がなければ、正答数を増やすことに集中してください。
未解答と誤答では、どちらが評価が低いですか?
誤謬率が測定されない検査では、どちらも同じ扱いです。
どちらも正解ではないため、正答数には加算されません。
この場合、未解答を残すことに利点はなく、埋めたほうが正解の可能性が生まれるぶん有利になります。
一方、誤謬率が測定される検査では、未解答は分母に含まれないのに対し、誤答は分子に加算されます。
つまり確信のない解答をすると数値が悪化するため、この場合に限っては未解答のほうが有利になり得ます。
判断の分かれ目は検査の種類であり、受検前の説明画面がその手がかりになります。
わからない問題を飛ばすと、後で戻れますか?
形式によります。
SPIのWebテスティングとテストセンターでは、1問ごとに制限時間が設定されており、次に進むと前の問題には戻れません。
そのため「飛ばす」ことは、その問題を捨てることと同じ意味になります。
戻れない以上、進む前に何かを選んでおくほうが合理的です。
玉手箱も、次の問題に進むと戻れない設定になっていることが多い形式です。
一方、マークシートで実施されるペーパーテストでは後から戻れるため、後回しにする戦略が使えます。
受検方式によって運用が変わる点に注意してください。
まとめ
誤謬率は「解答した問題のうち間違えた割合」を指す指標です。
大半の適性検査では測定されないとされており、その場合は未解答を残す利点がありません。
要点を振り返ります。
- 誤謬率は未解答を分母に含まない。正答率・正答数とは分母が違う
- 誤謬率が測られるとされるのは、事務職・一般職向けの検査や事務処理の正確さを測る科目(SPI3-R/N、SCOA-Cなど)
- ただし提供各社が仕様を公表しているわけではない。受検前の説明画面の記載が最も確実な手がかり
- 誤謬率が測られない検査では、選択式の未解答は埋めたほうが期待値が上がる
- 数値入力型(四則逆算など)では当てずっぽうの効果は小さい
- 性格検査で適当に答えると一貫性が崩れるだけで、得点上の利益はない
- SPIは前の問題に戻れないため、「飛ばす」前に何かを選んでおく
- 誤謬率の有無は制御できない。制御できるのは、時間内に解ける問題を増やすことだけ
やるべきことは2つです。
受検前の説明画面を読むこと。そして、埋め始める残り時間を自分で決めておくことです。
Test-Biz
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